第2話 面接ってめんどくさい。

次の日、俺は早速はりきって、そのVtuber事務所とやらに面接を受けに行く........

という訳でもなく、父が勝手にセットをしたであろう目覚ましが鳴るが無視して二度寝の態勢に入る。そして眠りに入る筈だったのだが、次に気づいた時には車の後部座席に座らされていた。そして目の前には満面の笑みを浮かべる父と母。


父『ついたぞ(ニコニコ) さぁいってこい!』


母『せっかくの面接なんだから気合い入れて!ほら!(ニコニコ)』


和人『え?どk)))』そのまま車を半強制的に降ろされ、車はそのままどこかに行ってしまい、俺は無駄に高いビルの前に置き去りにされたのであった。


和人『はぁ..... いつもこれだ。Vtuberなんて......)『貴方が和人さんですか?』


後ろから女性の声が聞こえてきたので振り返ってみると、眼鏡をかけた女性がいた。


和人『そうですが、なんでしょうか?』


女性『あぁ、良かったです。私は今回和人さんの面接を担当させて頂きます。桜井祥子(さくらいしょうこ)と申します。』(ペコリ)と頭を下げてくる。随分礼儀正しい人のようだ。


和人『はぁ..... それで面接の人が何でここに?』


祥子『和人さんのご両親が、(会社の前に和人を置いていくんで、拾ってあげといてください。多分ほっといたらそのまま帰っちゃうと思うので)と言ってきたので、ご迎えに来た次第です。』


拾ってって...... 俺は捨て犬か何かかよ.....


和人『それで、面接の方は?』


祥子『はい、今から面接場所まで案内させて頂きます。面接の結果の方は、面接終了後から1週間から2週間の間ぐらいには和人さんのスマホの方に送らさせて頂きます。』


和人『そうですか....... では早速案内して頂いて宜しいでしょうか?』


祥子『分かりました。こちらです。』


その後は面接場所へ案内されて無難な質問などを何個か出され、それに対して淡々に答えていくということになった。え?面接の様子を知りたい?やだよ。だってめんどくさいもん。って、俺は誰に説明してんだよ.....



◇1週間後


(ピロン!!)


スマホが鳴った。何だろう。俺の連絡先は父と母ぐらいしか知らない筈だ。他には誰にも教えてない筈.......

あぁ、そういうことか。


和人の無機質な瞳の奥には(合格)という文字が映っていた......


明日また事務所に来てくださいか。


和人『Vtuber..... つまんないとか思ってたけどちょっと面白そうじゃん』


その時の和人の顔は笑ってはいないものの、まるで子供が.....新しい玩具を貰った時の様な目をしていたという......

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