プークスクス! どれだけ面白い小説書いた所であなたの話なんて誰も読みませんからwww

 どうも、火災現場ソムリエの熊ノ翁です。

 相変わらず燃えてますねぇ、創作界隈。

 地中から吹き出す天然ガスにより火が消える事の無いダルヴァザ・ガスクレーターの如く常に何かしらの話題で燃え盛っている創作界隈なわけですが、皆さん今日も生き延びていますか?

 そうですか、虫の息ですか。


 では。

 そんな瀕死のアナタにトドメを差すべく本日熊が用意した話題がコチラ!

「面白い小説書いた所で誰も読まない」です。


「あんなランキング作品よりも俺の小説の方が絶対に面白いのに、どうして誰も読んでくれないんだ!」と、かつての熊と同じ思いを抱いているそこのアナタ!

 この、代表作のPVが一週間の内最高に高かった日で「4」とかだった熊は、アナタの気持ちは痛いほど、痛すぎるほどわかります!


 憎いよなぁ!

 悔しいよなぁ!

 ランキングとか、ジョーカーのカッコしてガソリンぶちまけて盛大に燃やした後で勲章胸に着けてプ〇ウスで轢き潰してやりたいよなぁ!


 ああああクソクソクソクソ!

 なんで、あんだけ、苦労して、頭痛するほど悩んで、夢の中までうなされて書いたってのに!

 どうして俺の小説は誰からも読まれねえんだ!


 つまんないのか?

 そんなに俺の書いた小説は面白くないのか!?


 だったらどうしてyoutubeでアホほどツッコまれてる穴だらけダダ滑りファンタジーがウン万ポイントとかウン億PVとか獲って書籍化してるんだ!?


 死ね!

 マジで死ね!

 世の中見る目の無いバカばっかりだ!


 と、フォースの暗黒面に呑まれた経験のある熊が、かつての自分を葬るべく同じ思いを抱いているアナタを介錯しましょう!


 それでは皆さま!

 聞くも涙、語るも涙のこのエッセイ!

 ご笑覧頂ければ幸いです!


「面白い話を書けば読者は読んでくれるはず。だから面白い話を書けば読んで貰える。だって読者は面白い話を求めてるんだから!」

 そう思っていた時期が熊にもありました。


 違う!

 違うんだ!

 それはな、間違っているんだ!


 これな!

 一見、当たり前の事を言ってるように思えるだろ?

 だって欲しい物あげるっつったら喜んで受け取ってもらえるって思うじゃん、普通!


 違うんだよ!

 そうじゃねえんだよ!

 俺たちはその、スタート地点から間違ってたんだよ!


 いいかブラザー!

 よーく聞け!


 お前、中に何入ってるかわかんねぇダンボール箱が道端に落ちてたとして、喜んで拾うか?

「うおおお、超ラッキー! ダンボール箱みっけぇぇぇ!」ってなるか?


 ならねえよな!

 それと同じ事なんだよ!

 読者さんからすっと、その小説が面白いかどうかは読んでみるまでわからねぇんだ!


 小説家になろうに登録されてる作品数は今や80万作品以上。

 あとちょっとで100万作品に手が届く位の量がある。

 って事は、読者さんの目の前には何が入ってるかわからないダンボール箱がそんだけ置いてあるって事なんだよ。


 その作品が面白いかは読んでみなけりゃわからない。

 じゃあどうやって読者さんは開けるダンボールを決めてんのかってーと「ランキング入り」だったり「レビュー書かれてる」だったり「人気ジャンル」だったりっていう箱に貼られたラベル見て決めてんのな。

 後は「既に作者が有名」とか。

 要は、中身がある程度わかる、予想出来るものを大半の読者さんは選んでるんだ。


 だからな?

 なーーーんのラベル貼られてない箱に、いくらロレックスとかダイヤモンドとかPS5が入ってたとしても開けてくんないんだよ!

 読者さんからすっと、中に何入ってっかわかりゃしないんだから!

「なんやこの箱。ウンコでも入ってんのか?」って思われてんだよ、俺たちは!


 そこをはき違えて、箱の中に詰めるものをいくら豪華にしようが工夫を凝らそうがセンス良い物用意しようが、そもそも誰も箱に近寄りゃしねえって!

 俺たちがやってたのは、つまりそういう事なんだよ!


 ぶっちゃけ言って宣伝効果ゼロ!

 いっくら悩んで、苦しんで、夢に出るまでうなされながら物語を考えて、眠い目こすって必死に面白い小説を書いたとしても、コマーシャルって意味では無駄なんだよ無駄!

 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!

 貴様はチェスや将棋で言う詰み(チェックメイト)にハマったのだッッ!


 ふー。

 オーケーオーケー。

 少し素数でも数えて落ち着きますか。

 素数は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字。

 物書きに勇気を与えてくれる。


 2、3、5、7、11、13、17……


 あれ、これ1って入んないんだっけ?

 まあいいや。


 えー、気を取り直しまして。

 もちろん箱の中身にステキな品を用意する事、つまり良い作品を書く事が多くの読者さんの目に触れる上で何の役にも立たないのかというと、そんな事は無いわけで。


 腹減ってメシ食いに行くとして、お前さんは過去に行ってマズかったメシ屋と美味かったメシ屋のどっちに行く?

 味覚のマゾプレイでもしてるんで無ければ、基本は美味かったメシ屋に行きますよな。 

 値段とか距離とかの条件が同じなら。

 そんで、気に入った店ならそこの店の会員になったり友人におススメしたり、場合によっては食べログにレビュー書いたり高評価つけたりする事もあるでしょう。


 え、無い?

 いやちったぁしてやれよ。

 お前さんのお気に入りのメシ屋の親父、多分コロナで血ぃ吐く位苦しんでっぞ。

 てか、その親父さんと俺たち、ほぼ同じ立場だからな。


 その店で出す料理が美味いか不味いかは、行ってみて食ってみなけりゃわからない。

 で、どこの店に行くかは食べログだったり友人からの口コミだったり、近所や街中で良く目につくかどうかで決める。

 まったく一緒だろ?


 仮にミシュラン三ツ星レベルで美味い料理をお値打ち価格で出すような超優良店があったとして、店の場所が人気のない山奥だったら誰も来ないわけよ。

 だって場所わかんねえし、何出してんのか知らねえし、いちいち調べようとも思わねえし。

 そこでどれだけ美味しい料理を研究しようが開発しようがお値段安くしようが、俺たちが腹減った時に行くのはそこそこ安くてそこそこ美味い、近所のよく見る店なわけじゃん。

 餃子の王将とか。


 美味しい料理を作るっていうのは宣伝効果的にはあくまで食べてもらった際にお客さんに食べログで高評価付けてくれたり食レポ書いたりしてくれる可能性を上げる物なのよね。


 だから、小説家になろうも同じで、俺たちが面白い物語を作ろうって頑張ってんのは誰もいない山奥でひたすら美味い餃子を作ってんのと同じ……


 あん?

「ちげえし! 小説家になろうは日本最大級の投稿小説サイトだし! 人目とかすっげえから! 言わば、渋谷のど真ん中! テキトーかましてんじゃねーぞ熊!」だって?


 あー。

 なろうさんが「渋谷」か「山奥」かについては、人によって違うだろうなぁ。

 連日ランキング入って人気の作品や作家さんトコは、そりゃあ渋谷原宿アメ横ギロッポンってもんよ。


 でもな。

 お前さんの代表作、今日のPVいくつ?

 どうにか二桁行った?


 そっかそっか。

 よぉ、村人さん。

 渋谷がなんだって?


 ちなみに熊は昔小説公開してた時、代表作の一日のPV「4」とかだったよ。

 うん、山奥。

 というかここまで来ると秘境のたぐいだよね。

 多分地図にも載ってないレベル。

 よく訓練された冒険家が道半ばで力尽き、野垂れ死んでたどり着けないような場所に俺たちは店構えてんだよ。


 そこで「よーし、今度来るお客さんのために頑張って美味しい餃子作っちゃうぞー!」とかやった所で誰も食べになんて来るわけないよな。

 だから、今日も明日も明後日も、どんだけ面白い話を書いた所でお前の小説は読まれやしねーんだ。


 だから。

 だからな……
























 どれだけお前さんの小説が読まれなくても、それはお前さんの作品がつまらないって事にはならないんだよ。


 いいかブラザー!

 どこぞのカリスマラーメンハゲの言葉を思い出せ!

 面白い小説を書いたら読まれる等というナイーブな考え方は捨てろッッ!


 お前、今のランキング作品見て全部が全部面白いと思うか!?

 そりゃ面白い物もあるだろうよ。

 曲がりなりにも読者さんに作品を評価して頂いたからこそランキングに入ってんだからな。


 でもぶっちゃけ、クッソつまんねーのもあんだろ!

 どう考えても破綻してるストーリーに、誰が誰だかわかんねー金太郎飴みてーに没個性的な登場人物、親の顔より見た展開、昭和生まれのおっさんが言うような親父ギャグよりサムいコントシーンに、主人公たちが今、どこで、何をしてんのかよくわからん出来の悪いドラマの台本さながらセリフしか書いてねぇ地の文皆無な夏休みの絵日記以下のクソ駄文とかよ!


 あぁ?

「なろうは全部そうだろ」だって?

 いや、そこまでは言わねえけどさ!


 そもそもド素人の熊の書いたエッセイが、書籍化作家を押しのけてランキング入ったりしてんだぞ!

 もうその時点で作品のクオリティと連動してねぇんだあんなもんは!

 あくまでもどれだけ人気があるかってバロメーターに過ぎないんだよ!


 だから、そんな程度のものに何より大事なテメェの作品の存在意義を預けてんじゃねぇ!


 確かにお前の作品は読まれてねーよ!

 昨日も先週も先月も読まれてないなら、明日も来週も来月も読まれねーだろうよ!

 知名度が足りねーのか、告知の仕方がマズいのか、流行りのジャンルじゃ無いからなのか、タイトルの付け方が悪いのか、何が原因で読まれないのかは知らん!


 でもそれはお前の作品がつまらないかどうかとは別問題だ!

 読まれるために必要な物と、読み返されるために必要な物は違う!

 お前が読まれるために必要な物がわからず何も手を打っていなかったからといって、面白い話を書いて読み返してもらおうと書き続けた努力は否定されるもんじゃねーんだ!


 そもそも、どっこも面白くないくせにドチャクソ売れてるベストセラー作品なんて世の中ゴマンとあるだろ!

 ただ有名なだけの芸能人が書いたゲロ寒いゴミエッセイやら、大手広告代理店ゴリ押しの中身スッカラ絵日記漫画とかよ!


 極論言うと読まれるかどうか、人気が出るかどうかなんて愛されたもん勝ちなんだ!

 1000万人中900万人があまりのつまらなさに投げ捨てるようなクソ紙同然のゴミ小説だろうと、残りの一割100万人が気に入ったならベストセラーなんだ!


 運が全てとは言わないにせよ、売れるかどうかに運が絡む事もまた事実!

 俺たちに出来るのは、その確率をちょいと上げる事だけなんだよ!


 いいか!?

 わかったか!?

 わかったら「ランキングに載らねー」とか「俺って才能ねー」とか嘆くのはもうやめろ!


 才能があろうがランキングに載らない時は載らないし、才能無くとも載る時は載る!

 そんなルール無用の無差別階級デスマッチだからこそ、俺たちにもジャイアントキリングのチャンスがあるんじゃねーか!


 ほれ!

 ハンカチやるからとっとと涙と垂らした鼻水拭いて立ち上がれ!

 先に熊が使ったからちょっと湿ってっけどよ!


 よーし!

 じゃあ今日も元気に、読まれねぇ小説一緒に書くか!

 もしかすっと、山奥にお客さんが来るかもしんねぇからな!



プークスクス! どれだけ面白い小説書いた所であなたの話なんて誰も読みませんからwww……END

執筆日、2021年12月10日



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