作者の品格

 どうも、熊ノ翁です。

 こうやってエッセイを書かせて頂いて、大体二か月が過ぎました。

 お陰様で色々な方から感想を頂き、そしてまた色々な方の書いたエッセイを読ませて頂き、小説家になろうという所がどのような空気感の所なのか少しずつ分かってまいりました。


 小説家になろうさんの、特にエッセイコーナーにおかれましては「作者としての在り方」といったトピックスについて、どうある事が正しいのか連日激論が繰り広げられております。


 熊も一応は物書きの身。

 物語を書いて読みますし、出来れば皆様から慕われる作者でありたいと考えております。


 よってエッセイやその感想欄で書かれているような「作者の分際でブロック機能使ってんじゃねえぞ俺の有難い辛口批評を聞きやがれこのチキン野郎が!」といったご意見や「ランキングに載りたいとか言ってるくせにテンプレも使わないで愚痴ってんじゃねえよカス!」といったご意見を興味深く読ませてもらっておりますし、そこから作者のあるべき姿を日々学ばせてもらっております。


 そこで今回はタイトルにもさせて頂いたように、作者にはいかなる立ち振る舞いが求められているのかについて熊がなろうエッセイやその感想欄、そして創作界隈のTwitterを見て分かった事を書いていこうと思います。

 どうぞ皆様、ご笑覧頂ければ幸いです。


 作者とはどうあるべきか。

 物語を紡ぐ作者は創作活動をするにあたり、いかなる姿勢で臨むのが相応しいか。

 大きく話題となった意見はこちらになります。


「作者たるものいかに批判的な意見を貰おうとブロックをしてはならない」


 読者様を楽しませる作品を書きたいと願うならば、その読者様からの意見はすなわち神の声です。

 そんな神の声から耳を塞ぐ不届き者は、もはや背信者でありサタニストと言っても過言ではありません。


 前にどこぞの書籍化作家様が「私は気軽にブロック機能を使います」などとエッセイで語られていましたが、案の定裁きの炎により感想欄がこんがり肉のごとく大変上手に焼けました。


 これは神に逆らった物書きが受けるべき、当然の報いです。神罰です。

 そのような愚かなる真似をした罪深き物書きが聖なる誹謗中傷によって浄化されるというのは、むしろ神の慈悲であり救いでありご褒美であると言えるでしょう。

 したがって「感想欄を閉じる」というのも偉大なる神々の声から耳を塞ぐ不敬不遜極まりない反逆行為であり、その不浄なる身を裁きの誹謗中傷で焼かれるのは逃れえない事となります。


「作者たるもの、読者の厳しい意見に耳を貸さなければならない」


 これも良く言われる事ですね。

 作者とはその身の全てを創作活動を通じて読者に奉仕する事が義務付けられた、塵芥の如き存在です。

 読者様のご要望に答える事が無上の喜びであると同時に存在意義そのものであり、他に生きる意味はありません。持ってはなりません。


 汝、神を疑う事無かれ。

 作者にとっての神とはすなわち読者様であり、神たる読者様の言葉は絶対です。

 例え神様読者様から「つまんねえ。才能無いよお前」というクソリプ……失礼。

 厳しくも慈悲深いご批判を投げられたとしても、それは賜ったものであり有難く笑顔で感謝の言葉を述べるのが筋というものです。

 まずは「お読み頂き有難うございます」と読んで頂いたことへの謝辞を述べ、次に「私の悪文乱文でお目汚ししてしまい大変申し訳ございませんでした」と謝罪をし、最後に責任取って腹を切りましょう。


 最近の神々は有難い事にyoutubeという闇の深い魔界……失礼、光あふれる天上界で卑しき作者達の書いた作品についてどこが気に食わないか、どこがムカつくか、作者の頭はどう狂っているか、こんな作品を書く輩はどれほどみじめな存在なのかを動画にして詳しく解説してくださることもあるようです。

 そういった格別のお慈悲を頂けた場合は頭を地面にこすりつけ、youtubeの本社のあるカリフォルニア州サンブルーノに向かって感謝の祈りを捧げましょう。

 日本からはほぼ真東に近い方角になるので、日の出とともに登る太陽に向かって地べたに頭をこすりつける事をおすすめします。


 なろうの感想欄や、Twitter及びSNSを見るに、作者の品格とは基本的に神である読者様へいかに平身低頭粉骨砕身で創作活動を行うかが美徳とされるようです。

 創作活動をされる書き手の皆様は、自分たちが哀れな子羊に過ぎないのだという自覚をもち、人権など主張せず、神にその身を捧げ切る事だけを胸に清らかなる日々を過ごされるよう心掛けるようにしましょう。


 ガッチガチのハイファンタジーを書いていて、感想欄に神である読者様から「俺、異世界転生が読みたいなぁ」と言われたら即座に現代社会から一般人をトラックで跳ね飛ばして異世界に連れてきて、転生させた勇者を作品に投入する。

 純愛を題材にした異世界恋愛を書いていて、読者様から「あー、ハーレム要素欲しいなあ」と言われたらためらうことなくヒロインをダース単位で用意して、日替わりで股を開かせる。

 ヒロイン一筋だった主人公も日替わりランチ定食さながら連日連夜レッツパーリィです。

 誰をヒロインにするかは週ごとの読者人気で決める週間少年ジャンプ方式サドンデスマッチで行きましょう。

 読者様からの人気が無いなら元のヒロインなど、どれだけ思い入れが強かろうと伏線張ってようと、過去エピソードごとゴミ箱ポイです。


 このような忠実さ、信心深さこそが、作者に求められる品格なのだという事を書き手の皆様は覚えておいた方がいいでしょう。


 以上が熊がここ2か月で学んだ書き手である作者に求められる品格になります。

 作者の皆様。

 確かに耳に痛く、厳しいお言葉もあるかもしれません。

 ですが、それでも神たる読者様は我ら迷える子羊である物書きをいつかは愛してくださるのだと、そう信じて創作活動を続けていきましょう。


 頑張れ作者!

 読者様の愛を得られるその日までッッ!



作者の品格……END

執筆日、2021年10月6日


最後までお読み頂き有難うございます!

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