またアニメ好きが人を殺したそうですね

「殺害事件! 犯人はあのアニメが好きだった!」

「誘拐殺人事件の犯人の部屋から大量の漫画とゲームが!?」


 何か殺人事件が起きた時、ネットや新聞でこういう見出しの着いた記事ってよく見かけます。

 ニュースでも大体加害者が好きだったアニメやら漫画やらが紹介されて、コメンテーターが顔をしかめて解説するというのが皆さんもよく目にするテンプレな流れですね。


 ほんと、アニメ好きはロクな連中ではありません。

 ニュースや新聞を見ればわかる通り、奴らはよく幼女を誘拐し、よく人を殺し、よく性犯罪を犯します。


 正に外道!

 犯罪者予備軍とは良く言ったものです。


 ニュースや新聞を見る限り、アニメや漫画やゲームには人を狂わせ凶悪化させる麻薬成分が混入しているか、催眠効果があるに違いありません。

 そんなものを全国のお茶の間に垂れ流し続けるのは悪夢以外の何物でもありませんね。


 以前、山梨県で行方不明中の女子高生が遺体で見つかったという事件についても、


「バ美肉、アニメ好きの20代新婚夫婦が女子高生を殺害した仰天の動機」


 という見出しの記事で語られていた通り、やはり犯人はアニメ好きでした。

 これはもうアニメ好きは世間にとって危険すぎます。


 平和な日常を取り戻し凶悪犯罪を減らすためにも、ジブリファンをつるし上げ、鬼滅ファンを牢にブチ込み、ディズニーファンはシンデレラ城に閉じ込めて火を放つべきです。


 アンパンマン好きのお子様は、顔をもぎ取って新しい顔に変えときましょう。

 その際はもしかしたらあんこがアンパンチのような暴力行為を誘発させる可能性があるかもしれないので、もぎ取ったお子様の首に新しく乗っける顔はハンバーガーとかの方がいいかもしれませんね。


 ハートキャッチプリキュア見てた奴らは、心臓でも抉って捧げときますか。

 いつ、どこぞの巨人の如く凶暴化して人に襲い掛かるかわかった物じゃありません。


 なんですか?

「そんな事言ったら日本国民ほとんど処刑されちまうやろ」

 ですか?


 はい、そうです。

 日本の場合、大抵のお子様は幼少期にアンパンマンやドラえもんやプリキュア、ディズニー等を見て育ち、ちょっと大きくなったらジブリ見て、ワンピやら何やらを始めとする漫画読み、バイトや仕事を始めるようになればソシャゲのガチャに課金して、報われない結果に涙を流しながら過ごすわけです。


 これ別に陰キャに限った話じゃ無くて、ごく一般的な嗜好でして。

 確かお笑いコンビ「かまいたち」のコントでもありましたが「トトロ見てない奴いるか?」というのが笑いの題材となる位、アニメや漫画やゲームは世間一般的に普及しているものです。


 そんな環境にあって「アニメ好きが人殺したぞ!」みたいな物言いをするのは「パン食った奴が人殺したぞ!」と言うくらいナンセンスなわけです。


 そもそも人間は一つの属性だけに生きている事はほとんどありません。

 米やパン食って、アニメやドラマ見て、好きなアイドルがいて、なんか好きなスポーツがあって、部活やってたり学校行ってたり仕事してたりするわけです。


 生活していれば人はありとあらゆる物事に属し、様々な嗜好を持つのが普通です。

 その中の一つを恣意的に取り上げて犯罪と関連付けて一緒くたに語るのは、何らかの根拠が無いのであればそれは「偏見」そのものと言えます。


 それに何より。

 どのような嗜好であろうと、犯罪を犯したのは「その者が犯罪者だから」です。

 サッカーやってる人が傷害事件を起こしたからといって、サッカーと犯罪の間に関連性はありません。

「サッカーをやっていたから犯罪を犯した」のではなく「犯罪を犯した奴がサッカーをやっていた」というだけです。


 犯罪者も同じ人間であり同じ社会生活をしている以上、その属性の大半は普通の人たちと同じです。

 それをあたかも何かしらの関係性があるかの如く関連付けて語るのは「偏見」からくる「扇動」であり「差別」です。


「これだから〇〇は」みたいな事をジョークやユーモアとして語るのはともかく、真顔でニュースや記事の見出しとして使うのはいたずらにヘイトを煽り分断を生むだけで、あまり品のある行為とは思えねえなぁとおもいましたまる。


 まったく!

 これだからマスコミは!


またアニメ好きが人を殺したそうですね……END

執筆日、2021年9月2日


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