第37話 謝罪

会話のやり取りを聞いていると

またあの子は勝手に自分の正義で踏み込んで


部外者が踏み込んで良い案件でない


祭祀や祭壇で災害や疫病から守って貰い

神通力、神の力さえ分けて頂いている

種族


聖域を汚されることは

聖書が破られるどころではない案件


クリスは頭を痛める


綾さんは綾さんでアリステラの言い分にも

一理ある!と逆に褒める考え


拡大解釈で殺していったらキリがないし

恨みや怨念を生む破滅的な関係を

生む恐れもある


蛮族とは違い知的な理性ある種族

下位のオーガと一緒にされては敵わん!


クリスの折角の衝突を避ける取り組みに

唾を吐くことになりかねない!


ほっておくと会話が子供じみた

理不尽なものに、


「貴方の短絡的な考えが気に入りません!」


「他人との争いに当事者以外が土足で踏み込むのはそれ以前の問題!」

「こちらに優先権や決定権がある」


「だいたい力無き者が何を言ったところで

物事は通らない!

納得させれる力を付けて出直してこい!」


クリスが止めに入ろうとしたところで

既に綾さんは動いている!



「ほう力があるものなら

弱者に何をしても良いと!

誰がそう教えた?」


背後から冷たい声が愚息の

九条奏くじょうそうにかけられる


「言霊は実現する力もある

軽々しく言ったからには責任を

とる気はあろうな!」

【その自由を行使する】


「はっヒイ!やめてください!」

腕を掴まれた直後

グギャー ハァハァ ヒィヒィ

ギャー絶叫が響き渡る


腕をあなぬ方向に曲げて

へし折るにとどまらずねじ切っている


腕はもう一本ある!

倒れるのは事が済んでからだ!


「おやめください!」

これにはアリステラにも問題がある

クリスが助け舟を出すが


「気にするではない鬼人族では日常茶飯事だ!」

容赦なく捻じ切り絶叫が響く!


クリスは駆け寄り

うちの娘が迷惑をかけたすまん!


ねじ切られた両腕を即座に繋げて癒す!


「フッ!」

「反省が足りないならもう一セット

【捻じ切るぞ】」


本気の脅しが出されて

これでもかというぐらい身をちいさくさせる


アリステラの方も正座させられて

理屈でクリスに諭される!

「まず内政干渉という基本的にいけない

国同士の決め事から

当事者以外が気分で踏み込むのは

拡大解釈と変わらないぐらい

タチが悪い!」


その勉強こそ必要の様だな!


アリステラは普段生意気でも

クリスの前では反省してシュンとしている


して奏、聖域を汚したものは

ちゃんと仕留めたか?


「すぐさま冥土に送りました!」


「その件は誉めてつかわす!」


「無駄な拡大解釈や種族的差別を

今後慎むなら今回の事は許そう!」


「はっ!」


アリステラと奏は

相性の悪いまま今後やたらと

顔を合わす様になる


この件で命拾いした

貴族はジグルズに砦に送られるが

本国への入国は拒否され

そこで拘束されることになる

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