第35話 鬼皇后とクリス

討論を挑んだ鬼人族は30歳なのだが

寿命の観点からすると

実はアリステラとほぼ変わらない年齢


実は子供同士の討論である

「罪を犯した者限定で裁くべき!」

「身内や知り合いまで含まれるのか?」

「拡大解釈です!」

「関係ないものを殺める権利は貴方にない」



「当事者以外の部外者が争いに

首を突っ込むことはマナー的にいけないと

習わなかったのか?」


☆☆☆☆




その親同士が親交ある仲間とは

流石に誰も気付いて居ない!


鬼人族の長は

300年は生きている

女性だがまだまだ若く衰えを見せていない!


強さのクラスは素手で山を断つレベルで

神通力で台風すら軽く起こせる、


仕事の依頼にクリスが

むらおさの女王 未亡人の


【九条の君】

和風姿の美人な鬼の所に訪れている


「くじょうさん、真面目なお願いで来たのですが・・・」


クリスからすると無下にも扱えない

苦手なタイプ


私に好意を寄せるというか

強さに惚れ込んでいて・・・


「知らない仲ではないのだから」

「下の名前のあやと呼んで!」


肩を寄せてきて隣に座り

私の手を触ってにぎにきしている

着物を着崩して胸元を見せて


「貴方のこと考えると胸がドキドキして・・」

「こんな感じで」

ものすごい力で腕を掴んで

自分の胸を触らせようとする


クリスも必至の抵抗で更なる力で

やんわり押し返す!


それよりも先に【シキタリ】を

済ませましょう!


「それは既に必要ないかと・・・」

「村おさなら蔑ろにしてはいけません!」


【力を示さないと客人と認められない!】


「本気で戦うとここら一帯壊滅してしまうので

腕相撲あたりでも良いですよ!」

互角に戦いつつ相手に華を持たせて

上手く負けるか?


「貴方わざと負ける顔してますよね?」

「貴方こそ本気を出す気配が感じられない」


お互いに力を認めているので

茶番と思うのだが

周りに示しがつかないのまずいだろ

とクリスは思う!



本来なら魔王候補のトップクラスに

君臨する女性である


「お互いに何かを賭けましょう」

「私は今回の協力要請」

貴方は?

「私か娘の婿になり子供を作ってもらいたい」

「跡取りにする」


一族の強者集めての立ち合いの中

「レディ!ゴー」


九条綾さんが目を血走らせて本気になり

封印拘束を三層まで解いたところで

姿形は変わらないが

存在感やオーラが魔王のような状態になる

村の半分が吹き飛び

大気が暴れて嵐の状態に追い込まれる


「クリス様と夢の一晩を・・・」

何度も念仏を唱えている

欲望の権化


クリスとしてはまともに相手をする気は無い

使徒の力【理外の力】で

力そのものを無効化受け流す


だが、綾さんは既にそれを見越して

神通力や気の力、神仏の神力を

違うものを変換して


4種類の力を混ぜてねじ伏せにくる!


多種多様の力は対応が困難、

まともに受けることができない!


特大の雷の一撃すらこの場に落としてくる

困難なそれら全てを器用に

一瞬で捌き続けるクリス

【困難であっても無理では無い!】


九条さんは

風神 雷神に阿修羅まで下ろしたか!

無茶をするものだ!


手の内は見せたくなかったのだが、

あえて相手の土俵の最上位の位の存在を

この場に降ろす!


音の無い世界が一瞬で広がり


【千手観音降臨】

1041本の手があり

手には目があり全てを見通し

千は無限を表す♾


全てを無効化して凪の状態に戻し

荒れ狂うもの全てを更地にする!


強引に【理外の力】で呼び出すが

既に限界域である


まさか!こんなことが可能なのか?!

はるか先の辿り着けて居ない

神仏の境地を魅せられて!


【一族の最強と言われる九条綾】は

負けを悟る


「完全なる負けです!」


「貴方はズルをしているにせよ

何故そこまで更に先が見える?

不思議でならない!」


「あと、私には魅力が無いのですか?

いつも色よい返事が聞けなくて悲しいです!」


10も・・・

本当の歳は幾つなのですか?


わかりました・・・

貴方を愛しているかはわかりませんが

嫌いではありません!

ほんの気の迷いですが一晩共にしましょう!


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