第27話地下迷路の裏ルート(3)

Uからの問題に頭を悩ませた侑だったが、謎のヒントを手に入れた。

「とりあえず、部首に似たカタカナを見つければいいんだね。部首に似たカタカナ・・、ネとかイとか・・・あっ、"ウ"だ!!」

確かウはかんむりの部分になっている。

つまりこの文章にかぶせる文字はウだ!

侑は頭の中で文章にウをかぶせた、そして正しい文章を完成させた。

「答えはカタカナのウをかぶせて、今日の宿題は漢字の書き取りだった!」

『むむむ、これも解かれるとは・・・』

Uは悔しそうな顔になった、侑は問題に正解することができたと確信した。

『では次が最後の問題としよう、せっかくだから最後の問題は・・・・、カンナちゃんをモチーフにしよう。』

「カンナちゃんをモチーフに・・・?」

『そうだ、侑に解けるかな?」

「絶対に、正解してやる!!」

侑は気合い十分だ。

『それじゃあ、行くぞ。最終問題、次の文章の中で仲間外れを探せ。かりんとう・感謝・モナカ・万力』

侑はこの四つの言葉にそれぞれどんな意味が含まれているのか考えた。

「この問題は、カンナちゃんにヒントがあるはずなんだ。カンナ・・・カン・・・」

そして侑はあることに気がついた、カンナと同じように"カン"がつく言葉があることに。

つまりこの問題はカンがつかない言葉を探せということだ。

「かんがないのはモナカと万力・・・、あれ?」

侑はUに質問した。

「この問題って仲間外れは一つだけだよね?」

「ああ、当然だ。」

侑は頭を抱えた、モナカか万力のどちらかが正解なのだ。

「モナカにはカンはないし、万力にもカンはない。でも正解は一つだけ、どれが正解なんだ・・・?」

『ふふふ・・・、子どもらしくもない。柔軟な考えがあればどっちが正解なのかは自然とわかるはずだ。』

「柔軟な考え・・・?」

侑はモナカと万力という言葉をもう一度よく見てみた、するとカと力の二文字が引っかかった。

「この二つ、よく似ている・・・あっ!!」

侑は問題の正解を確信した、そしてUに答えを言った。

「正解は・・・”モナカ”だ!!」

果たして侑の解答は正解なのか・・・?

『・・・正解だ、侑』

「正解・・・、ふぅーっ・・・当たった・・・。」

侑は正解することができてホッとした、これでカンナちゃんの身の安全は保たれたのだった。

『最後の問題は引っかけがあったから、不正解すると思ったがよく答えられたな。』

「万力の力がカタカナのカに似ている・・・、それが君の罠だったんだね。」

『やはり君には敵わないな・・・、私ももっと難しい謎を作らないとな。』

「あはは・・・、それはそうとして、カンナちゃんは解放されるの?」

『ああ、謎に正解することができたからな。』

Uはカンナちゃんを侑のところへ渡した。

「そういえば、どうしてカンナちゃんはここに来たの?」

『それは侑もわかっていることなのだが・・・、この地下迷路には裏ルートと言われる道があってだな、その裏ルートの入り口があの古井戸なんだよ。カンナは偶然にもそのルートを歩いて、ここまで辿りついたということだ。』

「へぇ~、そうだったんだ。」

侑はこの地下迷路の謎に一つ触れることができた。

『それはそうと、侑がカンナを取り戻しに来たのには何か理由があるんじゃないのか?』

「あっ!!早く連れていってあげないと!!」

侑はカンナを連れて、足早に地下迷路から脱出した。









侑とカンナは屋敷の奥の扉を開けて脱出すると、重雄たちが待つところへとやってきた。

「おお、侑!!」

「カンナ・・・!!生きていたのねぇ~っ!!」

カンナの母親は侑に連れられて眠そうにしているカンナを、思いっきり抱きしめた。

「てっきりお前もカンナも生き埋めになってしまったかと思ったぞ、もう無茶をするのはやめてくれ・・・」

「ごめんなさい、お父さん・・・」

「でも二人が無事で良かったよ。」

重雄は侑に満面の笑みを浮かべた。

それから警察とカンナちゃんと母親は屋敷から去って、クリスマスに起きた失踪事件は幕を下ろした。








この出来事は新聞に載り、それから侑は少しの間周りから勇者として扱いを受けることになった。

しかし一方では侑の屋敷には、何かのいわく付きがあるのではないかという噂が立ったので、テレビからの格好の取材対象となり、その始末について頭を悩ませることになってしまった。

そんなことをよそに侑は地下迷路のことについて調査を始めた。

屋敷の書庫に地下迷路についての資料があると思い、調べてみたものの特に役に立つ資料は見つからなかった。

「一体、地下迷路の資料はどこにあるんだろう?」

侑は重雄に聞いてみた、重雄はこう答えた。

「地下迷路の資料?そんなもの無いぞ、前の持ち主が全て処分してしまったからな。」

「そんな・・・」

侑は落ち込んだ、これで調査は頓挫してしまったのだ。

そして部屋に戻ると、机の上に一枚の紙が置かれていた。

紙はとても古く、何かの地図に見える。

「これはもしかして、地下迷路の地図!!」

侑は喜んだが、すぐに疑問が浮かんだ。

「一体、誰がこの地図をぼくにくれたんだろう?」

それはもしかしたらUかもしれない・・、侑は心の中ではそう思っている。











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る