1-2.序盤で重視していること その2

1-2.『予定なし』は暇って意味じゃないんですよ


王子がスーリを遊びに誘い、スーリがひきこもりの持論を述べる回。そして、依頼人の話に続きます。


本来、「祖母がいなくなった」という娘の依頼はわりと素朴なものですが、王子が出てくることでいい具合にまぜっかえされたというか、ちょっと興味深いものになったのではと思います。


ヒーローとヒロインの会話というか、言い争いがこんなに早く書けた話は、西の小説ではたぶんはじめてです。筋道によって難しいこともありますが、恋愛ならできるかぎり早くカップルの会話があったほうがいいと思うので、今回はうまくいったなという感じです。ここでは、ふたりの価値観の違いが浮き彫りになるように書いています。つまり……スーリのひきこもりと、ジェイデンのコミュ強ぶりですね。


じつは第一稿を書いているあいだは、ジェイデンよりもスーリのほうを変わった性格づけのキャラとして書いていました。連載を開始するとジェイデンのキャラのほうにおもしろいコメントをもらうことが多かったので、そちらのほうによりキャラの肉付けを増やしたところがあります。なので、コミュ強のコミュ強っぷりは、読者さんのツッコミによる部分も大きかったということでしょうか。


後半はいちおう本筋にもどって、スーリが依頼人の話を聞くというスタンスになります。主人公がなにをなりわいとしていて、いまなにに困っているか(巻きこまれているか)、本来なにを求めているキャラなのか、みたいなところは、なるべく早く出しておきたいと思ってます。

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