ターク様が心配です!~不死身の大剣士は寝不足でした~

花車

プロローグ


 天蓋てんがい付きの大きくて豪華なベッドのうえで、私はまるで死にぎわの母の手をにぎるように、しっかりと彼の手をにぎりしめていた。


 不死身ふじみの大剣士ターク・メルローズ。


 金色に輝く不死身の身体を持ち、大剣士とたたえられる彼が、こんなに弱ってしまうなんて……。



「嫌です……消えないで、ターク様……!」



 悪夢にうなされうめき声を上げるたび、苦痛にゆがんだ彼の口から、キラキラと輝くいやしの光があふれ出していた。

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