第6話 日本で初めての〇〇活って、何でしょうか?言葉は、怖いよね。自分が被害者なんだという気付きも、遅くなっちゃう。

 ちなみに、日本で初めて使われた、○○活は…?

 日本初の、○○活ってね?

 就活っていう言葉らしい。

 気付いたら、○○活の言葉が、増えすぎちゃったよ。そうした言い方が、フツーに、なってきちゃった。

 これで、珍しいと思える感覚が、消えた。

 人間は、珍しいと思えなくなると、親近感が湧いてしまうので、それを今度は、かわいらしく感じてしまうようになる。

 だから、犯罪なのだけれども、○○活の仲間のパパ活という言葉が、かわいらしく感じられて、使われ続けてしまったんじゃないのかな?

 「でもそれ、犯罪だから」

 「うん」

 「パパ活は、犯罪だから」

 「うん」

 「そういう言葉自体、軽々しく使っちゃダメよね」

 「難しいな…」

 パパ活は犯罪、って今どき世代の子に理解させるのは、難しいかも。援助交際という言葉すら、フツーの言葉だと、思っちゃっているくらいなんだから。

 「私の妹は、どう感じているのかな?」

 今どき世代の子は、○○活という言い方に慣れ切っている。

 これは、危険。

 他人が注意して、どうなるものでもない?

 「その注意、届くのかな?ナエさん?」

 「え?」

 「変わる社会が、怖い」

 「…」

 「明るくしようと思って、言葉を変えるのって…」

 「…」

 「軽々しすぎて、怖いよ」

 「そうかもね…」

 「あういう言葉の呪いからは、なかなか、抜け出せないと思う。たぶん…」

 「…」

 「パパ活は、犯罪だから」

 「そうよね?軽々しく、言わないでほしい」

 「パパ活、犯罪」

 「わかってない子、多いと思う」

 言葉は、怖いよ。

 自分が被害者なんだという気付きも、遅くなっちゃうんだよ?

 そしてまた、他の女性の例。

 傷付く、弱い立場の女性は、たくさんたくさん、いるから。

 「私…」

 「どうしたの?」

 「ナエさん…」

 「あら、どうしたの?どうして、泣いちゃうの?」

 SNSで知り合った男性の1人に誘われて、インターネットカフェで、落ち合うことになっちゃったという。

 「ナエさん?」

 「何?」

 「私…バカでした」

 「…どうか、泣かないで」

 「…私」

 「…泣かないで」



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