ジンジャーエール

暑い夏の夕暮れ時。


彼は公園のベンチで、ジンジャーエールを飲んでいた。


ふと、あの日もこんな暑い夕暮れだったと思い出す。


夏休み直前の高校の教室。


あの日の放課後もジンジャーエールを飲んでいた。


隣の席のあの子は、それを見かける度に「また飲んでる!」と顔を綻ばせていた。


帰ろうかと思った時。


「あ、また飲んでる!」


懐かしい声がすぐ近くから聞こえた。


数年ぶりに会った彼女は、あの日の放課後と同じように笑っていた。

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