第1話 Hello World in 2022

「皆様。明けましておめで……。父さん!?父さん!!私だよ!私!!……。そんな、、、待って!行かないで!言いたい事たくさんあるの!!置いてかないで!!ねぇ!待ってぇぇぇ!!!!」

『いきなり何が始まってるのかしら。』

「そう、私は遅れてやってきた反抗期のせいで父親との会話も少なくなってきていた。昔はあんなに仲良くお喋りしてたのに今は顔を合わす事も無くなっていた。いつからかも忘れた。それくらい喋らないし父親を居ないものと見ていた。そんなある日、突如父親が倒れた。病院へ運ばれ母親が付き添いで行ったが、私は家で撮り溜めしてたテレビ番組を観ていた。そんな中、母親から電話がかかってきた。"お父さんダメだった"。そう言われた。

慌てて私が駆けつけた時にはもう父親は亡くなっていた。くだらない反抗期のせいで、家族の最後にも立ち会えず、興味を無くしていた父親は本当に居なくなってしまった。全ての感情が壊れて、自我を飲むほどの巨大な喪失感だけが暴れてる。そんな、壊れた自分の心を引きずり私は病院の外へ出た。


………。明けましておめでとう!!」

『いや、何の話してるのぉぉぉぉ!!!!!!!!』

「ちょっと新年だからってうるさいぞ⭐︎テンション上がるのは分かるけど。」

『違うわよ、早々にヘビーな話をされた身にもなりなさいよ。』

「ん?蛇?今年は寅年だよ?」

『蛇じゃないわよ!ヘビーな話よ!』

「元気いいな君は。君は元気の良いフレンズなんだねー。」

『何よその口調。かなり腹立つんだけども。』

「すごーい!バックちゃんも呼んでこないと!」

『多分それ、バックじゃなくてかばんちゃんよ。いや、どうしてけものフレンズの話をしてるのかしら私達。』

「君は細かい事が気になるフレンズなんだね。あははー、ウケるー。キモーい。」

『サーバルちゃんそんな事言わないわよ。というか、私達前回で最終回を迎えたんじゃなかった?』

「うん!迎えたよ!」

『じゃあ、なんでまたお喋りしてるの最終回詐欺なの?』

「違うよー。終わったのはおしゃべり女子高生2021編。今回は年越したので新規のおしゃべり女子高生2022年編が始まったの。まあ、タイトル若干違うけど、中身は大体同じらしいよ。」

『結果、詐欺みたいなものじゃない。』

「でも、2021年編の最終77話で、"来年もよろしく"的な事は言ってたじゃん私。」

『あれはボケじゃなかったのね。』

「そうだよ、また歳を取らない一年が始まるのさ。こんにちは、私の世界。教えてやるさ、嫌でもな、俺が何者なのか?」

『後半何を言ってるの?何か取り憑いた?』

「そして堅書直実、お前が何者なのか?」

『HELLO WORLD!!!!???』

「君はアルタラに記録された、過去のフレンズなんだねー。」

『待って!頭おかしくなるわ!!』

「これだから頭の弱い人間は。私みたいに頭脳明晰、容姿端麗、美人薄明。」

『適当に見栄えの良い言葉並べたんだと思うけど美人薄明は短命の意味よ。早死にしたいの?』

「一行瑠璃だって美人薄明。」

『そんな世界を変える為に頑張ってるフレンズもいるんでしょ!』

「私も助けてほしいな、イケメンに。」

『奈緒は美人じゃないから。微人長寿だから。』

「そんな言葉、初めて聞いたよ。」

『微人で性欲強いって気持ち悪いわね。』

「おーい、心の声ダダ漏れだよー。でも、それでも私は男とヤりたい!」

『去年抑えてた性欲が溢れてるわね。去年下ネタそんなに書かなかった作者が新年1発目から書いてるわね。』

「ずっこんばっこん大騒ぎしたいんだ!」

『最低な…。けだものフレンズね。』

「けだものフレンズ探さないと!」

『セフレの事でしょ。』

「メレンゲに材料混ぜてオーブンで焼いたお菓子のこと?」

『それはスフレね。』

「物価が持続的に下落していく経済現象のこと?」

『デフレね。新年からボケの千本ノックでもする気なの?』

「新年だし、ここまでにしとこう。それでは、今年も明けましておめで……。父さん!?父さん!私だよ!!…私!」

『もういいわ!!!!』

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