ソロプレイヤーの道

グリーンスライム

追放された僕は今、ギルドでパーティーの脱退申請をしてからソロプレイヤー申請をした。

受付の人からは「あんなに言われて災難でしたね。」と言われたが、逆に好都合だ。伝説の武器なんか作って自分だけ使ってたらそれこそヘイトを買っていただろう。

「さて、これからどうしようか……とりあえず武器ぐらいは作っとくか。ここのエリアならマルタの剣でいいな。スキルオープン。マルタの剣を精製。」マルタの剣を作り、森へ入っていく。

しばらく歩いた後であの馬車のときに会ったバーンモンキーに遭遇した。「魔術師耐性型か。なら、この一振りで終わりだな。」洞窟でゲットしていた経験値でレベルアップしていた僕はバーンモンキーを一撃で倒す。

「またレベルアップしたか……?ステータスオープン。」

――――――――――――

井上陽翔 Lv.28


攻撃力 1258


防御力 1002


魔力 1465


素早さ 250


運 0(成長限界)

――――――――――――― 

Lv28でこれはおかしいだろ……

素早さは2桁しか見たことないし、それより上のステータスなんてほぼ見たことない。

ただ一人、いま自分に近いのは、Lv52のあのプリテンダーのウェイアンくらいだろうか。

あの人だけは適正が良いのかレア度の高い武器が出てきた。彼も転生者なのだろうか。そんなことを考えながらモンスターの素材を集めていく。

経験値は受け取らずに素材だけを集める。既にもう強いし、そのほうが効率が良いのだ。

「そういえばスキルツリーはどんなのなんだろ。スキルツリー。オープン。」


――――――――――――

スキルツリー一覧


ドロップの枝


戦闘の枝


スピードの枝


魔法の枝


ヒールの枝

――――――――――――

沢山あるなぁ……

でもやっぱりドロップの枝は増やしておきたい。

「スキルツリー。ドロップの枝を開放!」

『ドロップの枝が開放されました。レベル1 ドロップ数+1を開放するにはグリーンスライムを5体倒してください。』

「グリーンスライム……?弱そうな名前だな……ここにも生息してそうだしさっさと倒しに行くか。」

「スキルオープン。スライムキラーナイフを精製。」

――――――――――――――――――――――

スライムキラーナイフ レア度 ★★★★★★★★★

スライムを倒すのに特化したナイフ。持っている間はスライムのみ、弱点部分が発光して見えるようになる。

――――――――――――――――――――――

「いた!あいつか!」

少し森の中を歩き回ると黄緑色のきれいな色をしたスライムがいた。「弱点は……頭……かはわからないけどそこの真上か!えいっ!喰らえ!」

グリーンスライムの頭のてっぺんめがけてナイフを振りかざす。

空気の抜けるような音がして、グリーンスライムは倒れた。

「またスライムの粘液か……でも、これはきれいな色をしてるな……ガラス飾りには使えるかもな。」

そんなことをつぶやきながら僕はアイテムボックスにグリーンスライムの粘液を入れた。

その後も何匹かグリーンスライムを倒していたが、5体目だけはやけにすばしっこく、避けられてしまう。

「っち……なんだこいつ、ちょこまかと避けやがって……」

グリーンスライムはナイフを避けてどんどん森の奥へ入っていく。

「おい!待て!」

そして、追いかけていると急に広い空間に出た。

そして、そこにはグリーンスライムが大きくなって王冠を被ったようなスライムがいた。

そこに逃げたグリーンスライムは吸い込まれていった。

「なんだこいつ……キンググリーンスライムとでも呼ぶとするか。こいつもグリーンスライムだろうしさっさと倒しちまうか!」

スライムナイフを構えて弱点を確認する。普通のグリーンスライムと弱点の場所は変わらないので僕は大きく飛び上がり、ナイフを刺そうとしたが……

ナイフはキンググリーンスライムの弾力ではね返されてしまった。

「くっそ……このナイフ切れ味悪すぎだろ……だったらこの手で!」

もう一度ナイフを構えて頭上へ向かう。

キンググリーンスライムはまた同じことをすると思ったのか余裕そうにしていた。

「馬鹿め!同じ手を繰り返すわけがないだろ!スキルオープン!マルタの剣を精製!」

そう言って僕はスライムナイフを投げ捨てて、マルタの剣を握った。予想外の行動にキンググリーンスライムも逃げようとし始めたがもう遅い。

弱点の場所は記憶しているのでそこに向いながら剣を構える。

「よっし!そこだぁぁぁぁ!」

大きく剣を振りかざす。

キンググリーンスライムは真っ二つに割れて消滅した。

カラン。と音がして王冠が地面に落ちて砕ける。

「王冠はやっぱりレアドロップかぁ……せめて残ってる破片くらいは回収してくか。」

目視できる王冠のかけらを全てアイテムボックスにしまった後、スキルツリーを開放した。

これでドロップ数は+1個になった。

「そろそろ溜まったアイテムも売りさばかなきゃな……街を探すか……」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る