第2章 「流着二日目」

07.Good morning everyone

 アタシの、異世界生活二日目が始まる。


-ピピッ、ピピピッ-


「ぅん……ん……んん?」


 聞き慣れない鳥の声が耳に入り、アタシは目を覚ます。見慣れないテントの天井。そこには光の消えた球体が吊り下げられており、テントの隙間から仄かな朝日の光が差し込んでいる。大人が精々3人、ただ寝られるだけの小さなテント。そこに敷いたマットレスの上に、アタシはフライアに貰った黒装束を着たまま寝転がっていた。

 背中もお腹も、顔まで暖かい。横になったまま目を開けて見れば、目の前にはキートリーの寝顔があった。


「すー、すー」


 キートリーはまだ眠っている。緑色の綺麗なロングヘアを横に垂らしながら、とても安らかな顔で目を瞑っている。


(可愛い顔)


 そう思ってアタシ達に掛かっていた毛布から左手を出し、キートリーの頬に軽く触れてみた。


(暖かい)


 キートリーの顔はとても暖かくて、彼女が本物だって事を実感する。アタシは安心し思わず顔を綻ばせる。


「ん?」


 アタシの胸の間に緑色の頭がある。アタシの右腕はその緑色の頭の主であるマースの身体を抱きしめていた。


「すぅ、すぅ」


 アタシの胸の谷間に顔をうずめたまま、マースは静かに寝息を立てている。彼の身体を抱きしめているアタシの右腕はとても暖かい。


(ちっちゃい)


 小さな彼の身体を右腕で優しく抱き寄せる。アタシの胸の谷間に埋まっていく彼の頭。


(かわいい)


 右腕にちっちゃくて柔らかい彼の身体と、アタシの腕を両腕で抱きしめている彼の感触を感じ、アタシはまた安心して顔を綻ばせた。


「う?」


 アタシの背中で誰かがモゾリと動いた。前の二人を起こしてしまわないよう、ゆっくりと首を動かして自分の背中の様子を見る。


「くー、くー」


 茶髪のセミロングな美女が、アタシの背中に握った両手をくっつけて眠っていた。


(綺麗な顔)


 アタシの背中にぴったりくっ付いて眠っているサティさん。アタシの背中は彼女の体温で暖かい。ふわりと漂ってくる彼女の匂い。


(甘い、いい匂い)


 幸せそうな表情でぐっすりと眠っているサティさんに、自分も幸せを分けて貰ったような気がして、アタシは口元を緩ませた。


(暖かい、このままずっと、眠っていたい)


 また正面のキートリーの方を向いたアタシ。3人に挟まれ彼女達の暖かさを感じる。アタシはこの幸せを噛みしめたまま、また目を瞑った。

 だが、アタシの脳裏に白い触手によって海中に引きずり込まれて行ったメグの姿が浮かぶ。


(ダメだ、アタシだけのんびりしている訳にはいかない)


 アタシはメグの事を思い出し、パチリと目を開ける。


(アタシはメグを助ける。その為にはもっと自分の力の使い方を覚えなきゃ。アタシの悪魔の力の事を)


 自分のやるべき事を思い出したアタシは、貞子みたいに腰付近まで伸びている長い黒髪を邪魔くさいなと思いつつ、隣の3人を起こさないよう、ゆっくりと、音を立てないようにして毛布から抜け出した。つもりだった。


「千歳お姉様……?」


 キートリーを起こしてしまった。白いネグリジェを着た彼女は、まだ眠たい目を擦りつつ、起き上がってポソリと小さな声でアタシの名を呼んでくる。


「おはようキートリー」

「おはようございます、お姉様」


 マースとサティさんを起こしてしまわないよう、互いに小さな声で朝の挨拶をするアタシ達。

 アタシのはキートリーの側にしゃがみ込み、彼女にだけ聞こえるよう彼女の耳元で話す。


「キートリー、アタシちょっと森に行ってくるね。夜には帰るから」


 そう告げ立ち上がり離れようとするアタシの服の袖を掴んで止めてくるキートリー。


「お姉様、私も……」

「ゴメンねキートリー。アタシ一人で何が出来るか、確かめたいんだ。だから貴女はここで待ってて?大丈夫、ちゃーんと帰ってくるから」


 心配そうにアタシを見つめてくるキートリー。アタシはそんな従姉妹に微笑んだまま待っててほしい旨を告げる。アタシの言葉を聞いたキートリーはコクリと頷いた。

 彼女は俯いてからゆっくりと顔を上げ、ちらりとマースとサティさんの様子を伺った。そして少し視線をキョロキョロさせた後、顔を紅潮させながらアタシを見上げて言う。


「お姉様、どうか出かける前にワタクシを吸精してくださいませ……」

「えっ」


 キートリーは少女漫画の恋した主人公みたいなキラキラした目で、アタシに吸精しろと願い出る。アタシは勿論そんな事を言われるとは思っていないので、間抜けな返事しか出来てない。


(キートリーいきなり何を。あ、もしかしてアタシ寝てる間に媚香出してた?)


 そう思って自分の中の媚香のイメージを確認してみるが、匂い袋の紐はきっちりしまっている、媚香は全く出ていない。なのでキートリーのこの発言は、少なくとも媚香のせいではない。

 アタシは頭を切り替えてキートリーにその願いの真意を聞く。


「どうして吸精して欲しいの?きっと疲れてまた寝ちゃうよ?」


 アタシの質問に、キートリーが真顔になって答えた。


「お姉様との試合に向けて、もっと吸精の対策をしておきたいのですわ。今のままではワタクシお姉様に手を捕まれただけで負けてしまいますの」


(良かった、頭サ〇ヤ人のキートリーだ)


 戦士の顔で試合の事を答えるキートリーに、アタシは逆に安心する。もっと百合色な答えをされると予想していたからだ。だがアタシの安心も、彼女の次の言葉で脆くも崩れ去る。


「それに、ワタクシが闘気を吸われた時は何も気持ちよくありませんでしたの。サティばっかりずるい……ワタクシだってお姉様に吸われて気持ちよくなりたい……」


 顔を真っ赤にして熱っぽい視線でアタシを見つめてくるキートリー。


(ダメだ、頭百合色だ)


 アタシは頭を抱える。サティさんはもとより、マースまでアタシの悪魔の力に惹かれて一時的に正気を失っていた。だがキートリーだけは、この子だけは大丈夫、平気だと思っていたのだ。でもやっぱり駄目だったみたい。

 さてどうしようかと迷うアタシ。キートリーはアタシの左手に自分の右手の指を絡ませて言った。


「ふふっ、お姉様がワタクシを吸ってくれるまで、この手は離しませんの」


 左手の人差し指を口に当てて、少しいたずらぽく笑ったキートリー。彼女の右手によってがっしりと掴まれたアタシの左手。アタシはキートリーから逃げられなくなった。


「あ、あぁ……うん、わかったよぅ。吸うから、吸うから終わったらちゃんと手、離してね?」


 観念したアタシは、しゃがんでやれやれといった顔でキートリーを吸精する約束をする。ニコっと笑うキートリー。


「はい、お姉様。お約束いたしますわ。ではここに……」


 そう言って左手で緑色のロングヘアの後ろ髪をかき上げ、うなじを見せてくるキートリー。


(吸精対策の話はどこに)


 試合での吸精対策の件なら、手から吸精すればいいだけだ。試合中にゆっくりうなじ触らせてくれるほどキートリーとの闘いは甘くないだろう。だけどキートリーはうなじから吸えと催促している。どうも本気でただ気持ちよく吸われてみたいだけらしい。仕方のない従姉妹である。


「しょうがないなあぁ、じゃあ……あ、ちょっと待って」


 アタシは一旦ストップをかける。吸精するにあたっていくつか確認しておきたい事があったのだ。折角相手が喜んで吸わせてくれるのだ。試せることは試しておきたい。


(まずは、今のアタシは人間体、その状態で吸精できるのか?という事。もう一つは、吸える条件。手で触れるだけで吸えるのは知っているけど、その間に障害物、例えばこの毛布とか、が挟まっていても吸えるのかって事)


 そう思ってアタシはキートリーの身体に掛かっている毛布を右手で掴み、キートリーに差し出す。


「キートリー、一旦この毛布を首に掛けて貰ってもいい?手とキートリーの首の間に布が挟まってても、吸精できるかどうか確認したいの」

「ええ、良いですわよ?……お姉様これでよろしいですか?」


 アタシの渡した毛布を受け取り、素直に首が隠れるように毛布を被るキートリー。


「うん、そっちはそれでちょっと待ってて。先に人間体のアタシがそのまま吸精できるか試すから」


 アタシはキートリーの右手が絡まった自分の左手を肩の位置まで上げ、手に意識を寄せる。


「手から吸精するよ、準備はいい?キートリー?」

「ええ、いつでも」


 そう言って目を瞑ったキートリー。アタシは自分の左手に吸精するイメージをする。


「3、2、1、開始」

「……んっ♥」


 キートリーが静かな艶声を上げた。彼女は自分の艶声にびっくりしたのか、目を見開いて左手で自分の口を塞ぐ。

 対してアタシ、キートリーの右手からゆっくりと彼女の命が流れ込んでくる。


(吸う力は悪魔化した時に比べると大分弱いけど、人間体でも吸精出来た。キートリー、甘くて美味しい)


 彼女の味は、例えるならメロンソーダフロート。すっきりとしたメロンソーダの甘みの中に、バニラ風味の甘い甘いアイスクリームの味が混ざる。そしてしゅわしゅわしてスッキリ感を強調してくる炭酸水。カフェに寄ったらつい頼みたくなってしまう、馴染みの味。とてもアタシ好みの味だ。


(このしゅわしゅわな炭酸の感覚、もしかして闘気だろうか?)


 アタシは直観でキートリーの命に混ざる炭酸水の感覚を、彼女の闘気と判断した。アタシはまた命と同時にキートリーの闘気も吸っている。今は微炭酸と言ったところ。きっとキートリーが集気法を使って闘気を集めたら、このしゅわしゅわはもっと強くなって感じるだろう。

 そんな事を考えつつ、アタシはキートリーの命を味わい続けていた。


「っっ……んっ♥……っ♥……んっ♥んっ♥」


 左手で自分の口を塞ぎ目を瞑ったまま、顔を紅潮させて静かに艶声を上げ続けるキートリー。


(かわいい)


 そこにボーフォートの女戦士の顔はない。アタシの目の前で声を上げているのは、自分で自分の口を塞ぎ、恥じらいながら悦びの声を必死に隠そうとしている一人の女性だ。

 このまま彼女が疲れて倒れ込むまで続けても良かったのだが、アタシはもう一つ試させてもらいたいことがあったので、キートリーの手からの吸精を止め、彼女の手を掴んだまま自分の手を降ろす。


「っ♥……はぁっ……はぁっ……おねえ、さま?」


 潤んだ目で、どうして止めるの?と物欲しそうな顔でアタシを見上げるキートリー。アタシはその顔を見てムラッとしてしまい、つい吸精を再開してしまいそうになるが、そこは抑えた。


「次は首から吸わせて?」

「はぁっ……はい、お姉様……」


 少し荒い息遣いをしながら、素直に毛布の掛かったままの首をアタシに差し出すキートリー。アタシは毛布の上から彼女のうなじに右手を当てて、吸精を始める。


「3、2、1、開始」

「……ん?今吸ってますの?」

「吸ってるつもり、だけど流れてこないねぇ?」


 キートリーの疑問の声。

 全力で吸っているつもりだが、キートリーの命は流れてこない。どうも毛布一枚隔てただけで吸精は出来なくなるらしい。


(素肌同士じゃないと効果がないのかな?それとも毛布が厚いだけ?じゃあもっと薄い布で試してみよう)


 アタシはキートリーの首に掛かっている毛布を避けて、自分の黒装束の袖の中に手を潜り込ませ、袖の布越しキートリーのうなじに当ててみる。


「これでやってみるよ?3、2、1、開始」

「……ん……んんっ」


 少しだがキートリーが反応した。アタシにも僅かだがキートリーの命が流れてくる。だが流れてくる量はほんの僅か。


(もどかしい)


 キートリーもそう思っているのか、お預け喰らった犬みたいな顔でアタシを見つめている。


「お姉様、あまり焦らさないで……」

「別に焦らしてる訳じゃないよぅ」


 口を押えていた左手を下ろし、切なそうな声でもっと吸ってと言ってくるキートリー。アタシはアタシで好きで焦らしている訳じゃない。これは実験なのだ、アタシの自分の能力を知る上での大事な実験。


(薄い布なら吸精出来るみたい。吸う量は大分少ないけど。じゃあ布無しでキートリーの首から吸うとどうなる?)


 アタシは黒装束の袖から腕をすぽっと出し、キートリーのうなじに指を当てて吸精する。この時、アタシはキートリーに向けて吸精のカウントダウン予告をするのを忘れ、ノータイムで吸精をしてしまった。


「んあっ♥!?」


 キートリーのひと際高い艶声がテント内に響く。


(やっべ!?)


 アタシは速攻で吸精を止めて彼女の首から手を離す。キートリーも自分の大きな艶声にびっくりしながらも、アタシの左手から手を離し、急いで自分の口を両手で押えた。

 そのままアタシ達は揃って隣で眠っているマースとサティさんの様子を伺う。


(マースは、眠ったままだ、ヨシ!サティさんは、あっ)


 マースは眠ったままだったが、白いネグリジェ姿のサティさんが眠そうな顔をしたまま身体を起こし、ゆっくりと目を開けつつこっちを見始めた。アタシは急いでキートリーの方を見ると、キートリーは顔を真っ赤にして涙目でプルプル揺れ始めている。


(マズイ、キートリーのプライドがヤバイ)


 昨日の様子から、実はサティさんはキートリーのこの性格をだいたい気づいているいるんじゃないか?とアタシは想定している。だが、キートリーの性格上、例えバレていても出来るだけ隠したいと言う気持ちがあるのもアタシは分かっている。

 なのでアタシは、キートリーの為、この場を取り繕う為、サティさんを気絶させる覚悟を決めた。


(やるぞ!ごめんなさいサティさん!)


 アタシは足元で眠ったままのマースを踏んづけないよう気を付けつつ、サティさんに襲い掛かった。


「千歳さ……むぐっ!?」


 サティさんからキートリーが見えないよう自分の身体を壁にしながら、サティさんの口を右手で塞ぎ、左手で彼女のうなじに指を合わせて吸精する。


「んっ!?んっ……んっ♥……んっ?」


(なんだ?吸いが遅い?あっ!?)


 アタシはここで気づく。キートリーとサティさんの吸精耐性の差を、サティさんの防御力の高さを。


(しまった!人間体の吸精じゃ、それも片手じゃ、サティさん相手には有効打にならないっ!!)


 焦るアタシ。左手で全力で吸精しているつもりだが、サティさんは一向に気絶する気配がない。肝心のサティさんは、物足りなさそうな目でアタシを見つめている。


(どうする?どうする?変身する?朝から変身しちゃう?でも一人じゃ変身解除できないぞ?マースに起きて貰わないと変身解除出来ないぞ?こんなことの為にマースを起こすわけにはいかないぞ?どうする?どうするアタシ!?)


 焦りすぎて考えが纏らず視線が泳ぐアタシ。サティさんはそんなアタシの様子を見て何かを察したのか、両手でアタシの右手を避けて自分で自分の口を塞ぎ始めた。そしてアイコンタクトで伝えてくる。どうぞ吸ってくださいと。


(サティさんにめっちゃ気を使われている!申し訳ない!)


「ごめんなさいっ、サティさんごめんなさいっ」


 余りの申し訳なさに小声でサティさんに謝りつつ、アタシは両手をサティさんのうなじに合わせ、両手による全力吸精をする。


「んっ♥んっ♥……んっ♥んっ♥んっ♥んんっ♥……」


 テント中にサティさんのくぐもった艶声が響き渡る。自分の両手で口を塞ぎ、目を瞑ったまま、時折ビクンと跳ねるサティさん。アタシの手からゆっくりじっくりと流れ込んでくるサティさんの命。ハチミツみたいなとろりと甘い味。


「んんんっっっ♥♥♥」


 20秒ほど吸い続けたところ、サティさんは少し大きい声を上げてまたマットレスの上に倒れ込んだ。どうやら気絶してくれたようだ。とても幸せそうな顔をして眠っている。


「ふぅ、危なかった……サティさんごめんなさい、ほんと、ごめんなさい。あと、ごちそうさまです」


 無事アタシの朝ごはんになったサティさん。

 サティさんに謝りつつアタシは足元のマースの様子を伺う。ここでマースに起きられたら、マースも眠らせないといけない。


(マース、どうか起きないで)


 アタシは祈りつつマースを見た。


「すぅ、すぅ」


 マースは先ほどと変わらずに静かに寝息を立てていた。


(セーフ、セーフだよマース。どうかそのまま眠ってて)


 そしてアタシはキートリーの元へ戻る。


「サティさんの尊い犠牲、無駄には出来ないよ、キートリー」


 アタシはキートリーの前にしゃがみ込み、真顔で語り掛けた。全てを悟り、静かに切腹前の武士みたいな顔をしているキートリー。


「サティ、ありがとう……」


 キートリーはサティさんに向けて礼を言った。


「お姉様、覚悟は、出来ていますの」


 彼女はアタシを見上げ言った後、サティさんのように自分で自分の口を両手で塞ぐ。そして座ったまま後ろを向いてアタシにうなじを向けた。


「介錯致す」


 アタシはキートリーのうなじに両指を合せ全力で吸精した。


「んんんんっっっっ♥♥♥」


 口を塞いだままこちら側に思いっきり仰け反り、くぐもった艶声を上げたキートリー。仰け反って目を見開いているキートリーとアタシの目が合った。少し後、彼女の身体からふっと力が抜けそのまま毛布の上に倒れ込んだ。気絶したようだ。安らかな寝顔をしている。


「ごちそうさま、キートリー」


 キートリーも、無事アタシの朝ごはんになった。


(マースは?)


 アタシはマースの様子を再度伺う。


「すぅ、すぅ」


 マースは変わらず静かに寝息を立てていた。


「ふー」


(勝ったぞ)


 座ったままテントの天井を見つめ、勝利の余韻に浸るアタシ。朝は、まだ始まったばっかりだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る