第5話水を飲む

多くの精神障がい者は、薬を飲んでいるであろう。

精神安定剤の多くは副作用に口渇こうかつが現れて、年がら年中、水を飲まないといけない方がいらっしゃるであろう。

僕は外出時、常に水の入ったペットボトルをカバンの中に入れている。

それが命に関わる危険な事が起きるとは知らなかった。


ある日、全身のしびれが起きて大学病院で受診すると、緊急入院となった。

水中毒(低ナトリウム血症)を引き起こしたのである。意識があって受診するのは珍しいと言われた。

危うく、水の飲み過ぎで死ぬところだった。厳しい、飲水制限と点滴で1週間で退院した。

今では、前より大分、水分摂取量が減ったが3Lは飲んでいるであろう。


精神障がい者は、水ひとつでも怖い存在なのである。

何十錠も薬を飲めば、どこかが悪くなるのは当たり前である。

多剤大量処方は統合失調症患者にとって普通の事である。

毎回、朝昼晩寝る前、面倒くさいが服薬しなければいけない。

昨日は1時に寝たのに5時過ぎには起きた。果たして、睡眠薬は効いているのか分からない。

我々、精神障がい者は効いているのか分からない薬を大量に飲んでいるのである。

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