第2話『機能局在』と言って、視神経を突くと光が見え、鼻神経を突くと匂いがするんだって。 頭をぶつけて星が出るのも嘘では無いらしいよ!

『果たし状』には、こう書いた……


『この前はありがとうございました。 またお手合わせをお願いします。 今度は負けませんよ! なお、白樺さんだけじゃ無く、もしお仲間がいたら、全員連れて来て下さい。 明朝(※日にち的には今朝)6時、校庭でお待ちします。 輪音りんね 一生いっせい & ナメくん』


僕はナメくんにお願いして、その日のにタイムトリップし、狭間さんにこの『果たし状』を届けて貰った。


 そして、戻って来たナメくんと共に、決戦の地、校庭に向かった。


 

 ……6時ちょうど……


 校庭に、狭間さんと白樺先輩……更に見知らぬ三人の男性が現れた。


 狭間さんはいつもと変わらない制服だが、白樺先輩は動きやすそうな体操着にプロテクターをつけ、その他にも色々な物をベルトで装着している。 これが白樺先輩の『完全装備』なのかな?


 狭間さんが……


「……私も卑怯な事はしたくないから、手の内を全て説明するね」

と言って、三人の男性を紹介してくれた。


 一人目は『赤松』さん。 蝶ネクタイをしたお洒落なオジサマだ。 ……白樺先輩の家の執事(!)で、白樺先輩の手助けをすると言う。


 二人目は『勝』さん。 目付きの鋭い、怖そうなお兄さんだ。 ……勝さんは『変革者イノーヴァー守護使ガーディアン』だったが、守護していた変革者が危険と判断されて消されてしまったという過去を持つ。


 三人目は『広井』さん。 ふっくらとした優しそうなおじさんだが、実は狭間さんと同じ『策定者フォーミュレーター』で、役柄は危険な変革者を消す事………。 勝さんが守護していた変革者を消したのも広井さんだったらしい。


白樺先輩が……


輪音りんね! 今なら間に合う! 今回、私たちは本気で戦う。 君に勝ち目は無い! お願いだから、こんな無駄な戦いはめて、やすりさんに謝って!」


と言った。


 ……仰る通り、この面々を見ていると、こちらの分が悪いのは一目瞭然だ。


 しかし、ここで謝ってしまったら何も変わらないし、何よりカッコ悪い!


「白樺さん、ありがとうございます! でも、僕は戦います! 皆を護れる事を証明する為に!」


 それを聞いた白樺さんは小声で


「……バカ……」と言って、一歩下がった。



 狭間さんが


「私たちは手加減するつもりは無い。 広井さんは、私に歯向かうあなたを消すって言ってる。 ……あなた……死ぬわよ」

と僕を睨みつけて言った。


 広井さんは、相変わらず穏やかそうな表情でこちらを見ていた。


 広井さんの笑顔に気を取られていると、僕の背中に『ドンッ』と、何かが強く当たった……。


 振り向くと……


 そこには、鋭い眼光のお兄さんがニヤリと笑って立っていた


 ……勝さん? 


 まだ始まりの合図も無いのに攻撃してくるなんて!


「卑怯……」


 ……と言おうとしたが、力が入らず、声も出ない! いや、声どころか、呼吸さえも出来ない!?


 急にふらつき、立っていられなくなった。 膝をついて振り返ると、勝さんの手には……


 血の付いたナイフが握られていた!


 さ、刺された……? 


 状況が理解出来たと同時に、背中に異常な熱さと激痛が走った……。

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