第3章 相棒《メイト》

第1話『出合い』って、したくて出来るものでは無いから、日々アンテナを張り巡らせておく必要がある!

 僕は、涙と寂しさをお風呂で洗い流そうと部屋を出ようとした。


 ……


 ……


 ……ん?


 部屋の隅から……小さい音? 鳴き声? がする?


 その方向に目を向けると……



 な、な、何だこりゃ!?


 そこには、得体の知れない物が上目遣いでこちらを見ていた。


 頭に帽子みたいな物をかぶり、その上に丸いボンボリ? が、ぷわぷわしている 。


 更に、小さなつのが二本、突き出している。


 手みたいな物はあるが、足は無さそうだ。


 背中から頭にかけて模様? が入っている。


 僕が恐る恐る手を差し伸べると、ゆっくりと手に乗ってきて、必死に僕の顔に、手みたいな部分を伸ばした。


 ……そっと顔に近づけると『手』で涙を拭いてくれた。 が! 熱そうに顔をひそめた。 それでも頑張って涙を拭き取ろうとしてくれている!


 ……ちょっと待てよ……。


 涙 と言えば しーお 

 塩 と言えば なめくーじ

 ナメクジ と言えば とーけーる


 こ! こいつ……ナメクジ!?


 もしかしたら、例の缶カラの中に居たナメクジに、僕が『光る砂』をかけてしまって、こんな姿に変化しちゃったのでは!?


きみ……もしかしたら、缶の中にいた……ナメクジ?」……と聴いたら……


 にっこり笑ってうなづいた!


 う! うっそぉ〜〜?!

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