筆者は社会と折り合いをつけてます

本作を読んだ人の多くは、筆者は社会と折り合いがついていない、と受け止めるでしょう。

評者は、筆者は社会と折り合いをつけている、と考えています。

本作の特異性を評者なりに説明するために、ルール違反の、もしかしたらカクヨム運営からペナルティを受けるかも知れないレビューを書きます。

人命の価値を否定する論説として、かつて伝説となった、鶴見済「完全自殺マニュアル」があります。

筆者の鶴見済は、自殺が許されない社会は「生き苦しい」と公言し、自殺が許される社会を作ろうと運動を続けました。そして多くの軋轢を生みました。悪く言えば、自分の思想を社会の主流派にしようとしました。

それに比べて、本作は、自らの思想を述べるものの、社会の多数からは反感を持たれることを承知しています。

筆者は自らの思想は変えません。しかし、多数派の思想を変える気もありません。双方が今のままで共存することを目指しています。

自らの思想が理解されないのは苦しいです。しかし社会を簒奪せず反感を受け入れることは、自らを少数派と認めて、そうなるしかなかった社会を受け入れることの一つの形だと評者は考えます。

とても立派なことをしていらっしゃる。評者はそう考えます。

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