第一章 アレス級攻撃型潜水艦(改修前)

プロローグ 海底の国家

 エルガー海沖の海底120メートルに赤い点滅で発光する赤色の巨体が静かに停止して居た。アレス級攻撃型潜水艦の一番艦アレスは全長286メートル全幅68メートルを誇る異世界には存在しない攻撃型潜水艦だ。

 艦長のメルストリアと乗員達は5年前から世界から不認証の国家として生きているが、未だに国家として認められて居ない。

「艦長、3時方向に新たな音源」

「解析しろと言っても、鯨だと思うが・・・まぁ、頼む」

「・・・解析完了、エルガーホエールですね」

 艦長のメルストリアの左前に聴音機器を前にして座っている兎人族のラビアに、ある事を聞いた。

「あ、そう言えば。なぁ、ラビア」

「はい?」

「6時方向の敵戦艦は?」

「あ!」と言って、右に座っている水雷長を担当している人族のアメリアに諸元を書いたメモを手渡した。

 アメリアはそれを受け取り、タッチパネル式のディスプレイに指を触れた。

「魚雷発射、スタンバイ!1と2に装填!」

 艦長席から正面に見える画面に潜水艦の発射管の図面が写っているのだが、1番発射管と2番発射管の図面が赤く光って居た。

「ーー発射、初め!」

「シュート!」

アメリアがほぼ同時に叫んで、赤色のボタンを押した。

 5分後、爆発音が2回なった後にラビアが「敵戦艦、轟沈!」と発言した。


 この世界で謎の不審爆沈の話は、5年前から話されてきた。ある日突然、爆沈して海底に引きずり込まれていくと言う話だ。

 その話はあっという間に現実にやってきた。ある日、1隻の戦艦がエルガー海を南に航海中に爆沈すると言うことがあったからだ。もちろん、エルドリア王国は原因を調査しようとしたが、原因が海中から姿を表した。

 漆黒の船体に砲がないので、王国は不審になって居たがスルスルと海底に潜っていった。

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