«第零譚»「別に」

「なぁ、お前らって本当に幼馴染なん?」


「あの山寺君と幼馴染の癖に生意気!」


「ねぇねぇ、山寺君に私の事紹介してくれない?」


あぁ、もううんざりだ。


別に幼馴染になりたくてなった訳じゃない。


あいつと仲良くなる為に私と仲良くなるんだったら最初からあいつに話しかけに行けよ


別に、私あいつの事嫌いでもないし好きでもない。


本当に、いい加減にして欲しい。


今日もそんな事を思いながら軽くあしらっていく。


「あぁ、まぁ一応。」


「は?別に幼馴染になりたくてなった訳じゃないし、文句なら私の親に言って?」


「んー、ちょっと無理かな

最近あまり話せてないし。」


私の幼馴染は生徒会長をやっている。


一応私も生徒会書記をやっているが、先ず生徒会で話す事と言えばイベントとかそんなところであろう。


ただ、1つ

私にとって物凄く大きい問題点がある。


それは、彼が校内…というか周りの高校にも知れ渡るぐらいモテるという事だ。


お陰で昔から一緒の家で暮らしている私にまでとばっちりが来る。もううんざりだ。


確かに。


背が高いと言われている私より約15cm程身長が高い。


スタイルがいいと言われている私よりもスタイルも抜群。


声も良いし何より顔がもう国宝級。


しかも運動神経も良い。


どこを取ってもモテる。


一応私も裏ではモテてるらしいが、あいつの情報は信用できない。


でも私に一つだけ勝てる点がある。


それは「テストの点数」である。


私は常に学年…学校1位を取り続けている。

彼は常に学年…学校2位を取り続けている。


2位でも結構凄いとは思うがいつも定期テストの時に家で突っかかってくるのは本当に辞めて欲しい限りである。


…少し話がずれたな。


何故家でこの様に話しているのに

学校では全然話さないのか。


それは前ページで話した通り私の…私達の秘密に関わってくる。


まぁ、その秘密については追々話すとしよう。


取り敢えず、今回は学校での私達の様子を見せよう。


先ず、朝の登校。


「あ、おはよう」


「おはよう」


挨拶だけで終わる。

というか抑々2人1緒に投稿しないから会うなんて事は先ずない。


次、授業中。

いや、これ言うまでもないな

だってクラス違うし。


次、昼休み。


基本的に私は図書室に居るが

あいつは生徒会室でせっせと仕事をしている。


偶に副会長から手伝ってくれという伝言が来るがあいつは助けたらさぼるタイプだからもちろん行かない。


次、下校時。


「あ、こんにちは」


「こんにちは」


これも登校時と同じで一緒に帰る事は無いから先ず挨拶することは稀。


という感じである。


まぁ、これでは最初話した通り「本当に幼馴染なの?」と聞かれる事もあるだろう。


仕方のない事と分かっていてもやはり面倒臭いのは面倒臭いのである。


次に家での私達の様子を見せよう。


…何故一緒に住んでるのかは聞くなよ?


先ず、朝御飯。


「おーい羽純、入るぞー」


「んぅ…楽希、入って来ないでって何度も…」


「なら自分で起きろよ。」


「ごめんって…もう飯?」


「うん、なる早で来ないとまた母さんが鬼になるよ」


「うぇー、まだ着替えてないのに…」


「…取り敢えず水に濡らしたタオル持ってこようか?」


「頼む」


「了解」


とまぁ、相手の部屋に入るぐらいは仲が良い。


次、下校時


「たでーま」


「おけーり、晩飯机の上に置いてあるってさ」


「了解…飯食える気がしねぇ」


「今日も居残りで仕事?」


「あぁ…ってかお前も手伝えよ…」


「結局の所羽純1人で終わらせられるんだから私が居ても意味ねぇじゃん」


「まぁそうだけどさ…あ、あとお前に手紙だって副会長が。もしかしたらラブレターかもよ〜?‪w」


「な訳ないから。てか副会長彼女居るとか一昨日言ってたけど…」


「もう別れたんだとよ」


「早…‪w…まぁ取り敢えず受け取っとくわ」


「うぃー」


とまぁ学校の無関係さが怖くなってくるぐらい仲が良い。


一応断っておく。一切の恋愛感情は私と羽純共に相手に持っていない。


純粋な友人関係である。


偶に

男女間の友情は成立しない!

とかほざいてる奴が居るが、私達が現に友人関係にあるのだから私達には通用しない。


まぁ、そんなこんなで家では仲良く、学校は無関係を貫き通してます。


私達の事が気に入ったのであればこれからも宜しくお願い致します。


気に入らなかった場合は別に…ね?


────────────────────


次からちゃんと本編入ります()

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