第2話 序章②

そう〜

今の自分達の既得権益が足下から木っ端微塵に吹っ飛ぶ恐怖を考えれば、この程度なんぞ、全くお安い御用というものである



強大な武力経済力を背景にした、超大国達の結託したエゴイスティックな発案に、正に寝耳に水……!



ーーーーある日突然!


ハッと気づいた時には手遅れ

とっくに<既成事実>と逃げ場は失われ、無理難題を突きつけられたジャパン政府

……内閣府は突如窮地に追い込まれた


最早”断る事は不可能”

国家存亡の危機

海千山千の抜け目ない大国相手に戦いを挑んでも敵う筈がない


結果、やむを得ず、火事場の馬鹿力的結集力を発揮し


持ち前の……

小国にもかかわらず銀河に轟く、国際的トップクラスを誇る科学力を総力戦で結集し世界初


いいや……<銀河初>


超亜空間の開放


長期に及ぶ時間、人体が無事〜生存に適する状態で開放する事に成功した

 

この〜試験的設置された第4次元 第5次元に、ジャパン政府は極秘裏に特殊収容施設を建設した


”国内に”建造したのでは無い

よって

国内法には”殆ど抵触しない”

……『違法行為』でないのだ


<そこ>は

この世の全ての情報が集まる場所とされている


何が起きても不思議ではない特異性のため<超法規的な治外法権の場所>に〜

現行法を『少々改正して』まで、あえて指定した

 

 ”世界が破壊されてしまう可能性も捨てきれない”


異常な高次元、超常空間である


どの思惑の攻撃も拒絶できる威力の、ありとあらゆる軍事的防護システムが特例措置として構築された


全てがそろい法整備も行った


「あぁやれやれ…」 

プロジェクト計画推進者達が胸をなで下ろした時、全く”思いもかけない事”で最後に躓いた


『施設名称』を何にするか?であった

 

何しろ一切公にする事が出来ない特殊施設である

プランの企画立案時〜は<記号と数字>で済んでいた


とはいえ、銀河に密やかに公布する名前が無いのは〜”諸外国との秘め事”


要するに莫大な契約料が絡む以上、どう考えても明らかに不便極まりない


加えて『所長』の肩書きをどうするか?

従来の一般の収容施設と同じ様にする事は出来ない


何故ならばーーー!!



「冗談ではない」

「〜そんないかがわしき輩〜施設を、真面目に律儀に職務を遂行する我々と一緒にするな!」

「とんでもない!

職務に忠実に励む我々を、政府はそこまで愚弄し馬鹿にするおつもりなのか!!」


ーーーという意見(クレームが)が、ジャパン国内〜

誇り高い現存の施設の管理者から燃えさかるマグマの様に噴出したのだ

 

彼らの言い分に充分な正当な理と正義があり、全く無理もない話である為、完全に『詰み』であった


元々超大国に惨めに膝を屈した事から起きた出来事だ



「むむぅ……困った」


手に負えず政府首脳陣は頭を抱えた


ーーーその時

ある『知恵者』が


プロジェクトに携わった〜重要人物〜”研究者の1人”が…


ノンビリと、こんな事を政府要人の前にて答弁した


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