第10話 ここ、本当に俺の家?
さてどうするか。俺は宿題がしたいがかまってちゃんの穂香が来たら予定が変わる。絶対かまわないと拗ねる。まあそういうところも穂香らしくて安心するんだが。
仕方ない。ここは穂香に直接聞こう。
「で、こっちに何しに来たんだ。」
「ん?くつろぎに来た。」
コイツ…絶対予定もなくこっちにきたろ。まあ今回はそれでいいや。俺が宿題したって関係ないからな。
「じゃあ俺宿題やってるから。テキトーにソファーにでもくつろいでてくれ。」
「待って、裕司が宿題やるなら私もやる。」
「お前、分からないところ答え教えてもらうつもりだろ。」
「よく分かったね。」
「今までの行動振り返ろうか。何回俺にそうせがんできた。」
そう言うと穂香は目をそらした。自覚があるだけまだマシか。
「いつも通りだが答えは教えねえ。解き方のヒントはやるから自分で考えろ。」
「やった!ありがとう!裕司大好き!」
「はいはい。じゃあお前は勉強道具持ってこい。」
「じゃあその間に裕司は着替えといてね。」
そう言われて気がついた。家に入ってから穂香の応対をしていて着替えるのをすっかり忘れてた。
「じゃあ行ってくる!」
そう言って穂香は自分の家ではなく、俺の家の二階へ駆け出した。
「おいちょっと待て。え?自分の家に取りに帰るんじゃないのか?」
「だって勉強道具全部こっちにあるし。」
「なんでだよ。お前、自分の家で勉強する気ないだろ。」
だいたいここにやってくる穂香の私物は、クローゼットに入りきらない服や昔のおもちゃやぬいぐるみたちなのだが、たまに勉強道具やマンガなども入ってくる。
そういう時にいつも思うのが、
―コイツ、俺の家に棲み着くつもりじゃない
だろうな。―
やがて穂香が俺の家の鍵を開けてただいまーなんて言ってそうで怖い。そして俺も違和感なく受け止めていそうでそれが一番怖い。
「お前、自分の家で勉強する気あるか?」
「ない。」
「即答するな。言い切るな。」
そこで笑顔になるところじゃないぞ。かわいいけど。
「だって裕司教え方上手だし、裕司と勉強したほうが捗るし、それに…一緒にいたいし…」
最後の方はボソボソと言っていたためよく聞こえなかったが、とりあえず穂香にとって大きなメリットがあることは分かった。
「はぁ、まあいいや。話してても時間もったいないし、さっさとやってゆっくりしようぜ。」
「うん!」
そう言うと穂香は二階へ行った。さて、俺がまずすべきことは…着替えか。そう思い俺も二階へ上がった。
着替えが終わって勉強道具を持ってリビングに戻ると、既に準備万端な穂香が待っていた。
「飲み物は?」
「いつものリンゴジュースで。」
「はいよ。」
そうして二人分のリンゴジュースを用意して片方を穂香に渡す。そして俺も席についていつもの二人きりの勉強会が始まる。
〈あとがき〉
次回、ようやくまともに(?)イチャイチャします!
あと、近々サブキャラ登場します。
毎回投稿間隔が開いてしまってすみません!
少しでも面白い、続きが気になるという方は
・小説のフォロー
・応援
・☆☆☆の評価
・コメント
よろしくおねがいします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます