にゃん♡ボーグ H!
ズバP
第1話 愛♡ゆえのプレゼント!
あたしは市内に住んでるふつーのJK。天ノ川きらりっつんだ。
両親は若い頃は度を越したロマンチストだったようだが、あたし自身はこの名前・・キライだ。
小さな頃はあんなに大好きだった、イケてる、カッコいい、お父さんが付けてくれたらしいけどさ名前でからかわれるのもう・・や・なんだよ。
だって、あたしはこの15年でスクスク、スクスクあっちもこっちも健康的?に育っちまってさぁ・・。胸とか尻とか(背丈とか腕力・脚力・反射神経とかも・・)言いにくいトコロも色々。
で、結局さぁ
目立つ→いじられる→ケンカする→体格で勝つ→叉、目立つの
悪循環ってわけ。
最初は「ボクがキラリをまもるっ!」って言ってた幼馴染も次にはあたしのカゲに隠れたし。
あたしに助けられてた生徒会長やクラス委員長も3回目にはもう
『暴力だけでは、問題の解決は・・。』って自分じゃ何もしねぇヤツラのいつもお決まりのお言葉。
(毎日を命がけであたしらを守ってくれているGA隊の方々に同じこと言えるのかってんだ。相手が銃持ち出して撃ってきて危害を加えようとしてんのに平和憲法だけで立ち向かえる訳ねーだろっ!もっと真剣に世の中を見ろ考えろっ!バカヤロー共が!某国達が何を進めているのかも見て見ぬふりしてれば憲法が助けてくれるとでも言うのかよっ!・・・昔っからイジメられケンカに巻き込まれて来たあたしにゃ分かる。相手が攻撃を思いとどまるのはただひとつ、攻撃したら逆に己の方があぶねぇって思った時だけなんだ。最近はまともなケンカひとつできねぇで能書き垂れる阿呆どもばかりで道理がわかっちゃいねぇんだ。)
そして、あたしはクラスの大半の者たちから「正義の味方」のレッテルをはがされてただの「暴力ヤンキーおんな」のあだ名を送られて、特に仲の良かった何人かを除いて誰も近寄って来なくなっちゃった。
そのうちに、校内の荒くれ者同士でも情報がまわって、ナンパや自堕落な連中とは決してつるまない孤高の者という意味で『はぐれヤンキー』というあだ名をあらたに頂戴した。
とうとう『おんな』でも無くなった、とこの時はさすがに落ち込んだよ。
そーだよその天ノ川きらりだよ。
いま、おめぇーあたしの名前きいてバカにして笑ってたろ?
ショージキに言ってみな・・言えってばっ!
・・・・・・・・
また、ある時は・・そーだろぅよ、あたしみたいなおんなに「はぐれヤンキー」って素敵なあだ名付けてくれたのおめぇーだろ。
・・・・・・
別の日には力づくで言うことを聞かせ手下にしようとした奴に、
だれにむかってモノ言ってんだ。えぇっ!誰がお前の女だって?
・・・・・・・
あたしはあたしのコト、笑った奴を・・変なあだ名付けて笑い物にした奴を・・歯向かったり、暴力ふるってきた奴を・・。
拒むために殴っただけだ。
けっして何でもかんでも無差別に暴れちゃいねぇだろーが。
・・・・・・・
みろ、ウソはいってねぇ。
・・・・・・・
でも、なぜか最後は「ヤンキーの天ノ川だしな。」で終わる。
(大柄な体格も名前だってあたしが決めたんじゃねぇし・・。)
・・・・・
・・・
今日も案の定・・ってわけ。
で、やりきれなくなって学校を飛び出した。
自棄になって
結局、どちらとも決められなかったあたしは何時間もひとりで夜の街に飛び出たあとさまよい続けて・・。
ふぅっとした真夜中の中央大通り・・。
時折とんでもないスピードで走り抜ける車が通る交差点でふらつきながら渡る白い毛色をした、かわいい子猫を見つけちまったんだ。
心がささくれ立っててかわいいものに飢えてたあたしはなんとしても保護するべく青信号を確認してから子猫を保護しようと横断歩道をダッシュで追っかけた。
と、そのとたん。
眩しい程の明かりがあたしを照らしたッ!
(「これ、ヤバッ!」)
ききっききききーーーーっ!
ってものすごい音がして、その明るいライトの塊りとすごく硬いものに頭がぶつかったショックがあって、全身の力が抜けて気を失っちまった。
(「おわ・・り?」)
目が覚めぼんやりとした視界に見慣れない天井、まだハッキリしない頭に浮かんだのは・・。
トラックのライト?
↓
見知らぬ天井!
↓
はねられて死んだ!?
↓
ラノベ的異世界転生?
↓
でーその結果・・神様面会!
↓
チート持ち・無双
↓
まったり極楽生活!
クラスでも恐れられてて同性の友人なんていないあたしには、
近所に住む幼馴染でオタクの
その手の(ラノベ・アニメ・ゲームなど)話題に嫌でも詳しくなってしまう。
仕方ねーだろっ!
でも・・そっか、死んだのか・・あたし。
母ちゃんは泣くんだろうな、お父さんなんかもう号泣するかも知れねぇ・・。妹の『ひらり』は「わたくしに姉なんかおりません、暴力ゴリラのメスなら家で見たことがありますわっ!」って普段から平然と言ってるから、あたしがいなくなっても気にもしないんじゃねーかな。
あたしが起きたのは病院の簡易フレームベッドみたいな知らない寝床と見たことない部屋で今では定番の「見知らぬ天井。」ってヤツ?
そして奥まで見通せない白いケムリっぽい物で覆われた空間を周囲に見たのだからすでに頭のなかでは神様から「どんなチートもらおうか・・。」って考えしか無かった。
周囲をよく見てなかったのは仕方ないのかな・・と思う。
でも・・。
シーツはあるんだ。 ガバッ! チラッ ガバッ
でも何度見ても下着姿なんだョ。あたしのほぼ一張羅と言ってもいい、
ウンナ ナクールのミニマイザー・フルカップをつけてた
なんで?中途半端な下着姿?こういうのって死んだときの服装か
全裸が定番だと思うんだけど・・。
死んだのならいっそもう裸でもいいよね。
でも・・付けてる。75のE (アンダーデカくて悪かったねぇ!)
あたしごときのお粗末な
とりあえず声を掛けてみよう。
「ねぇ~っ!誰かいないの~っ!神様~!」
みゃ~
もやの中から愛らしい鳴き声と「とてとて」とした愛らしいあしどりで白い塊がもやの中からもっこりと現れた。
「あっ、あの時の子猫ちゃん・・。てことはあたし・・まきぞえにしちゃったんだぁゴメンね、助けてあげられなくって・・。」
あたしはふわふわの白い毛玉にほおずりした。
み~ み~
白い子猫は
「いいよ~」とでもいうようなリアクションであたしのほほを舌でペロペロしてくれた。
ぷにぷに!ぷにぷに!
突然、後からきもちいいものであたしの肩を叩く者がいる。
振り向けば『ヤツ』がいた。
「いやぁ~く、熊~!」
『失礼にゃっ!よく見ろっ猫にゃのにゃ!ネコ!』
でもどう見ても身長はあたしより少し高いほどある。
しかも後ろ足2本でまっすぐにスクッ と直立している。
そんなにデカくて、完全直立するネコ?しかも喋る!そのうえコイツには・・氷河期の剣歯虎みてぇにでっけぇ牙が上あごから左右2本 ニョキッて出てるんだよね。
「で、自称化けネコ様が死んで異世界にチート持ち転生するあたしにいったい何のご用?」
『えっにゃに?死んだ?だれ・・きみが?チッ チッ チッ』
グローブみたいな肉球持つ手にカミソリのように光る ピンッ
と伸びた鋭利な爪を指のようにのばして左右に振った。
『天にょ川きりゃり君、きみは死んでにゃんかいにゃいのにゃ!』
「えっ!(言葉がわっかりにくいんだってば~!)」
『きりゃり君!はわがエメニャルド星の超科学にょまえにぇは死にゃんて、意味をなさにゃい事を知るのにゃっ!その証拠に我がむすめとの愛と正義にょパートニャーとして!すでに死から蘇り、新しく友愛の化身として生まれ変わった後なのにゃ~。』
「?????・・なんだぁ!難しい言葉でうやむやにすんのか?」
みー みー きらりのうでの中の子猫が牙熊猫に意見する様に騒ぎ立てた。
『わかってるのにゃ、全部きりゃりにはにゃす・・はにゃすのにゃ~。』
ふーー
子猫ちゃんが牙熊猫に大変ご立腹のようだ。
『天にょ川きりゃり君、実は君をはにぇたのはこの星の乗りもにょじゃにゃい、はにぇたのはわれわれにょ宇宙船だったのにゃ~誠にすまにゃかった。それもあったにょで、責任をもってからだを元に戻しお詫びのしるしとしてさらにゃる
「なるのにゃ!って・・【にゃん♡ボーグH】って一体何だ?いやらしい響きがすんぞ・・それにむすめって誰だよ?・・地球の危機?・・わっかんない事だらけだよ?」
わかりにくい言葉とわからない単語の集中砲火に悩まされ、そうでなくとも学校での成績も芳しくは無いきらりはもうパニック寸前だ!ケンカの小傷は手足にあるが15歳の乙女の大切な肉体がこの肉食獣のような見た目の異星人に一体なにをされてしまったのだろうか?ケンカの修羅場をくぐって無ければ、今頃は泣き叫んで逃げ出し転げまわっているだろう。
もっとも、昨晩には自分の身体を汚してしまおうか?などと思いつめていたことはスッカリ忘れている。
「・・ちょっと待って!あたし死んでないの?」
両親の笑顔がうかび、目頭が熱くなったけど必死にこらえた。
あたしの腕の中の子猫と目の前の牙熊猫が『『うん、うん』』
と同時にリアクションを返してくる。
しかも、真っ直ぐ目を見て離さない。
「で、あたしは交差点に信号無視して入って来たUFOにはね飛ばされたってわけで、お詫びに命を助けてもらった・・と、さらに何か超能力も付けてくれたって?」
『『うん、うん』』
あたしは子猫と牙熊猫二匹をたっぷり10秒は見つめた。
その後、子猫と牙熊猫を順番に指さして聞いてみた。
「あのー間違ってたらゴメン。ひょっとして・・宇宙人?」
『『うん、うん』』
「もうひとつゴメン!失礼かもしれないけど・・親子?」
『『うん、うん』』
なるほど、道理で牙熊猫の茶色の背からも2本の尾が見えてブンブン振られており(振り方はまるでイヌっころね!)腕の中の子猫もゆらゆらとネコらしく2本の尾をくねらせている。
「で、ここからが肝心なんだけど・・さっき聞き捨てならない事を言ってなかった?・・超科学で生まれ変わる・・とか。危機が迫るとき【にゃん♡ボーグH】になるのだって・・でも、あたしがそんな世界が大変な時にわけのわからないいやらしいモノになって一体どうすればいいの?」
あたしは牙熊猫をにらむガンつけ・パワーを戦闘態勢までもっていった。
『ひっ!』おもわず後ずさる牙熊猫。
『わけのわからにゃいもにょじゃにゃい、わが故郷エメニャルド星の超科学にょ粋によって・・だにゃあ・・。』
ピロリロリン! ピロリロリン! ピロリロリン!
「敵勢力【ずろーす星人】来襲【ずろーす星人】来襲!」
にゃっ!
『奴らめっ・・もう来たにょかっ!』
「なんなの?」
2匹と1名の前にもやの中から2m×2mほどのホロスクリーンが
浮かび、その様子を映し出す。
【ずろーす星人】の赤光を放つUFOが同じく赤い光線できらりの学校の校庭に何か丸い物を下ろした。
きらりが驚いた事に外はすでに昼間のようだった。
「ねえっ!アレ何なのっ!」
スクリーン上の丸い物を指さし聞いてみた。
『侵略変生体ポッドにゃ!・あにょにゃかに【ずろーす星人】に改造強化された他星系侵略用加変生物体つまり侵略変生体が入っているのにゃっ!』
2匹と1名がホロスクリーンを固唾をのんで見守っていると、
卵殻状ポッドが割れ中より巨大なイソギンチャクのような形状で
胴体各所に極端に棘トゲした外殻を持ち口盤上部に怪しい触手を物凄い本数生やしていやらしく蠢かせるうえに、本来のイソギンチャクには存在しないカタツムリのような眼柄とバスケットボール大の眼を多数もち、特に女性には嫌悪感をいだかせるフォルムの怪物が姿を現す。
フゥーーッ!
「い、いやぁ~っ!なにあれ~あんな気持ち悪いのさわれない~!」
「ギニャッ!フーッ!」
女子ふたりに比べて牙熊猫は自信にあふれている。
『エメニャルド星の超科学を信じるのにゃ!ふたりともっ!』
そう言うと牙熊猫は床に空いた落とし穴のような黒い穴に
子猫を抱いたままのきらりを何でもないようにただやんわりと突き落とした。
「何しやがるっ!バカヤローッ!」
『【にゃん♡ボーグH】!出撃の時にゃ~!』
牙熊猫が右前足を真っ直ぐに上げてコード名を叫ぶ!と・・。
子猫の両目がエメラルドの輝きで満ちた。
みぃ~♡
呼応するように、子猫が鳴く・・。
「な、何を・・きゃーっ。」
透明な筒状のコースをただ落下してゆくきらり。
気がつくと密かに「ヒメ」ちゃんと名付けた白いふわふわの子猫がいない。
「!?・・どこ?(み~!)!?ッ」
自分の中から返事が聞こえた・・気がする。
やがて、自分の身体のすべてからエメラルドの光が満ちはじめて・・やがて光の塊りとなったきらりは光とエナジーの中
で変貌をとげる。
ちゃっちゃちゃー ちゃっちゃちゃー ちゃーちゃかちゃちゃ
ちゃーちゃかちゃちゃ ちゃらっちゃちゃーーっ
力強いテーマ曲のような音が・・鳴り渡り眩しいエメラルド色の閃光の中より、常人としては巨体の(2.5mほどの)猫耳人戦士コスプレの美女レスラーのごとき勇姿があらわれた。
【ずろーす星人】地球侵略軍総司令(ずろーす・すきゃんて)がふっと何かの気配に気がつき視線を上げると・・遥か高空から落下してくる生命体らしき物体をキャッチ、侵略変生体1号モミタクルに迎撃を指示した。発声器官がないため触手を艶めかしく動かすモミタクル。 うじゅるじゅるる
500・・400・・300・・180・・50 「しっぽ・ぶれーき!」
「(にゃん♡ボーグ・キック!)」
口盤中心部を避けてふちの部分に加速度のついた強烈なキックが
決まり、にゃん♡ボーグの刃物のような足の爪にもザックリと胴を裂かれてモミタクルが苦しむ。 うじゅる~
侵略軍総司令(ずろーす・すきゃんて)が侵略変生体1号に大きな手傷を負わせた者を見て、己のボデイの全身にこの惑星のメスのヒト種が身に付けていた下着を貼り付けていた物を怒りで震わせながら大声を上げた。
「キャッツらめぇ~我々より先にこの星に入っていたというのか~っ!今度こそは許さんぞ~!侵略変生体1号モミタクルよ、触手の麻痺毒で絡めとってしばき倒してやるのだっ」
(なんでやねん?)
黑い全身甲冑にカラフルな下着を飾りたてる様に付けたような姿の侵略軍総司令(ずろーす・すきゃんて)の命令がとぶ。
「さあっ!行くのにゃ愛と正義と友好にょ化身!我らが戦士!
【にゃん♡ボーグH】!地球とエメニャルド星にょためにっ!」
美しい白い毛並みのにゃん♡ボーグのからだのあちこちには体の補強や防護等の為、鈍い銀色の材質で出来たガードが・・。あたまにはカチューシャと目元を隠す仮面状バイザー、スズセンサー付きチョ-カーにショルダーガード、手甲、のーわいやー・のーすとらっぷバストガード・腹部・(一見Tバック風)下腹部ガード、ニースパイク、レッグガードなどの防護以外にも武器類も装備した戦士のいでたちだった。
そしてふたり共年頃のかわいい女の子なので、当然おまけのシッポ♡リボンつきだ!シッポ♡リボンつきなのだ!
そのからだも素体と格闘関連をきらりが、そして頭脳・知識関連とエナジー系も白ふわ子猫の「ヒメ」が受け持つ合成融合戦士なのだった。
すぐに、飛び離れたつもりのきらりの意識だったが、やはり初めての変体で感覚が慣れて無いのか触手の1本が左の足首に絡む。
うじゅ
(だめよっきらり、早く振りほどいてっ麻痺毒があるのっ!)
「!?ッ」 ぎりぃっ! ぶちっ!
ちぎったもののすでにうっすらとからだがぼやけ、腰が重いように感じる。心なしか吐息も熱いようだ。
「しまった、すまない。」
しかし、その間フットワークがにぶったせいで四方八方を触手
が囲んでいた・・。
(は、早い!前回より遥かに改良されてるっ!)
「くっそ!?前回?」
【にゃん♡ボーグH】第1話 愛♡ゆえのプレゼント! 終
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