第16話 調査隊結成

第16話 調査隊結成


 5月20日教会の門の前で


「ここに集まるように言われたけど・・何だろう?」


そんな独り言を呟いたとき、


「やあ、待たせてすまないね。リュール君、リューラ君。」


「あ、いえ!何の話があるのですか?」


「ああ、ここでは話しずらいだろうから中に入ってきてくれるか?」


「は、はい!」


 リュールとリューラはクロノスと共に堯静ぎょうせい大高楼だいこうろうに上がっていった。


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堯静ぎょうせい大高楼だいこうろうにて

(やっぱりクロノス様と話すときは緊張してしまうな・・)


「君たちを呼んだのは他でもない。」


「は、はい。」


「リュール、リューラそして我が息子のザザの3人で各地に現れた極魔獣について調べて来てくれないか?」


「え?」


「大変かもしれぬが、一度、騎士団が各地に現れた極魔獣を調べに行かせたのだ。だが、おおまかな情報しか集まらず、今後また出現した際に対応が出来ん。もちろん危険は無い。だから、君達に調査をお願いしたいのだが・・頼めるかな?」


「わ、わかりました!」


「はい!」


「おぉ、ありがとう。頼んだぞ。では、明日の朝にザザと共に門の前まで来てくれ。」


二人はクロノスから直接、課題クエストを受け、極魔獣の調査をする事となった。だが、この時リュール達はこの先に待ち受ける試練と絶望を知らない。


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 教会から学園の寮に帰りながらリュールは、ふと感じた疑問をリューラに話していた。


「なんで、僕達が適任何だろう。」


「・・そんな事考えても分からないよ。でも頼まれたんだから頑張ろうよ、お兄ちゃん。」


「・・・そうだね。ザザも一緒だから心強いね。」


「帰ったら、旅に出る支度をしないとね。」


「・・はぁ、緊張してきたなぁ。」


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 5月21日暗雲が立ち込める早朝、リュール達は教会に向かっていた。道中特に変わった事もなく、いつも通りの3人だったがリュールだけは何か不吉なものを感じていた。


「さて、頑張って調査しに行くぞ。って、どうしたんだリュール?気分でも悪いのか?」


「・・・いや、何でもないよ、ザザ。少し考え事をしてたんだ。」


「どんな?」


「今回の課題クエストなんだけど、調査なら先生達や騎士さん達に頼んだも良かったんじゃないかなって。それに、もしまだ潜んでいるなら危ないし、子供だけで大丈夫なのかな?」


「・・・確かにな。でも教会の騎士達も行ってきた時はもう極魔獣は消えてた訳だし、細かい調査をするだけだから大丈夫だと思うぜ?」


「・・そうだね。何も起きなければいいけど・・・」


「お兄ちゃん〜ザザ〜遅れるよ〜」


「急ごう!行くぞリュール!」


「あ、うん!」


そして、3人は教会に行き、ノーザンベースに行く事を伝えられた。

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