第8話 残酷なJatchment

 第8話 残酷なJatchmentジャッチメント


「・・はぁ、はぁ、きついな。」


「・・・・ゲホ・・そうだね。僕もきつくなってきたよ。それに背中がズキズキ痛む。」


(このままだと僕たち死んでしまう。ザザも何度も攻撃を喰らってたからこれ以上は危険だろう。早くきて!先生。)


「大丈夫か!いや、大丈夫じゃないか。すまない遅れてしまって。よくも大事な生徒を傷つけてくれたな!私が相手だ!」


「先生!待って!あいつは再生するんです!」


(ヤバイ!間に合わない!せめて手助けを、急いでクリスタルを付け替えて!)


「先生を助けるんだ!ザザ一緒に行こう。磁槍剣煉獄じそうけんれんごく炎竜蛾華えんりゅうがか


「・・ああ、行こう。煉貫剣毒印れんがんけんどくいん邪竜毒牙じゃりゅうどくが。」


 3人で放った剣技は左右の腕、胴体を斬り落とした。動かなくなったと思われたが、無常にも再生してしまった。


(嘘だろ、再生速度は最初より遅いのに)


もう剣も振れないほどの疲労が溜まり動くこともできず立ち尽くしている二人に、


「リュール、ザザ今すぐみんなの元に逃げろ!」


「でも、先生も逃げないと。」


「大丈夫だから。早く逃げて!」


 逃げようと立ちあがろうとしたその時、先生が振りかざした剣が

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(え?私の剣が砕けた?何で?あの魔獣は。何をしたんだ?。)


「走って逃げろ!リュール、ザザ早くに・げ・・・」


(何だ?急に。視界もボヤけてきた。ああ、死ぬのか。生徒を守るためなら死んでも良いか。)

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(背中から魔獣の尾が突き抜けていた。)


「先生!うわぁー・・・・・・・・ぅぅぅ許さない!あいつを倒して仇を取る!」


「待て!リュール。今行ってもお前も死ぬぞ!先生が『逃げろ』って言ったことを忘れたのか!あれは俺らでも先生でも無理なんだぞ!」


(計画だとのはずだったんだけど。まあ、良いか。後でお父様に報告しないと。)

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 1時間程かけてみんなと合流した。そこで涙目のリューラが、


「お兄ちゃん!よかった、生きてて。心配したんだよ。・・・お兄ちゃんどうしたの?」


「・・・生が。先生が僕とザザを逃すために・・・あの時僕が行かなければよかったんだ!僕のせいで先生が、先生が!うわぁぁぁぁぁぁぁ!」


 目から涙が途切れることなく出続けた。そしてしばらく沈黙が続いた。その沈黙を破ったのは、学園長でもなく教会の騎士を名乗る者だった。

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「私は教会第三位騎士オルフェウスだ。報告のない魔獣が2体この森に出たとの報告であったが、誠に申し訳なかった。こちらの想定外の報告だったため対応が遅れてしまった。申し訳ない。」


(オルフェウス、教会の騎士を演じてるのか。とりあえずみんなに怪しまれないように質問しよう。)


「すみません、質問いいですか?」


「・・ええ。いいですよ。」


「あの魔獣は一体なんなんだ?再生したりする魔獣は聞いたことないぞ?」


「確かに。僕もそれ気になってた。」


「あぁ、あれは極魔獣と呼ばれているものです。Levelレベルは個体によって10から100まであります。」


(あれ?何でそんな魔獣がここにいるんだろう?この辺には最高でもLevelレベルが3までのはず。)

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