第6話 絶望のstart

 第6話 絶望のstartスタート


「えっ!何で?腕を斬ったのに。確実に斬ったのを見たのに。」


「リュール下がれ!危ない!」


「・・・え?」


 いつの間にか。(ドッ)はっきりした音を立てて地面に倒れ、口から血を流した。立ちあがろうにも体が震え、動こうにも地面に根を張ったかのように動けなかった。


「リュール!生きてるか?」


「ガハッ、なんて速度だ。目で追えなかった。」


(血が数滴口から滴り落ち、地面にぶつかった背中はズキズキと痛む)


「怪我は?大丈夫なのか?」


「ああ、何とか大丈夫だ。受け身を取ったけど、こいつはヤバいな。」


「こんなに速い魔獣は初めて見たな。しかも凄いパワーだ。」


「感心してる場合じゃない!ヤバイ!こっちに向かってる。ザザ早く僕を置いて逃げて!」


「ダメだ!みんなで逃げるぞ!僕があいつの気を引くから立って逃げろ!」

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「さて、目標の座標に出せたかな。」


「ああ、バッチリだ。だが、大丈夫か?ザザも殺しかねんぞ?」


「まあ、大丈夫だ。ザザのことを味方だと極魔獣に教育しておいたから演技でわざと傷つくようにするだろ。」


「ハッハハ。なるほどな。流石だなパラドクスは。」


「あんたと違って考えながらしてるかなら。」


「は?まあ、ホントのことだし言い返せねえ。」

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ザザside

「うっおおおおおおお!」


 上段に煉貫剣暗黒れんがんけんあんこくを構え走る。


(パラドクスが言ったように俺を敵と見てないようだ。それを気づかれんようにしながら。)


「くらえ!惨霊晚禍ざんれいばんか!」


 4連斬は吸い込まれるそうに両手を斬った。

だが、無慈悲にも再生してしまう。

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リュールside

(すごい!あんな綺麗な4連斬は見たことがない。でも、回数が多い剣技は硬直が長いはず。早く動かないと!)


「は!千変氷檻せんべんひょうかん!」


(氷の槍が攻撃しようとした右手を貫いた。)


「大丈夫か?ザザ。二人で何とか持ち堪えるぞ。」


「ありがとうリュール。いくぞ!」


 2人で30分の間に100回ほど剣技を与えて行ったが、嘲笑うかのように回復し続けた。そして少しずつ疲労が溜まっていった。


「・・はぁはぁ先生たちは今どの辺にいるんだ?」


「・・・そろそろくるはずだ、もう辺りが真っ暗だ。足場も見づらいし、迷いやすくなっている。だから少し時間が掛かってるんだろうな。」


「おーい・・・か?・・大・・」


(先生の声だ。少しずつこっちに来てる。)


「・・ザザ、あと5分ほどすれば先生たちがくるはずだ。」


「わかった。俺が斬り込んだ後に続けて斬り込んでくれ。再生してもすぐに斬ってくれ。」

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ザザside

(早く来い。そして誰かをリュールの目の前で殺さなければ。それにしてもはどうなってるんだ?)

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