第6話

俺は自室に入ると、横になる。それにしてもまさか友香さんが俺が生まれ変わるまで待つとは意外だったな。今までも次の跡取りに仕えていたのにそれを俺の代でやめるとは。そもそも俺は生まれ変わっても覚えているかどうか。霊気は変わらないはずだから友香さんならすぐに分かるだろう。


そうだ新作どうするかね。桃枝さんにも新作を出してほしいと言われているんだよなぁー。ただ今さら稼いだところで、お金の使い道がないんだが。


俺の人生の最期の1作になる。最後だし俺の人生を作品にするのもいいかもな。タイトルは最期の青春って感じで。俺の思い出にはいいな。桃枝さんにも日頃の感謝を伝えるか。まだ癌のことを言ってないし。


とりあえず俺は風呂に入って寝ることにした。やがて風呂に入り終えると、ふと携帯の写真が気になった。そしてみるとそこには笑顔で写る俺と奏と渚がいた。楽しかったなぁー。青春代行を使ってみて正解だったな。しばらく見つめているとにやけちゃいそう。


明日学校か、もう関係ないとはいえ勉強は一応しないとな。赤点とって残りの学校生活を補修で送りたくないし。最低限の勉強はしておこう。そうして俺はベットで寝た。


「朝か、この学校行くのめんどくさいと思うのもこれが一年もないのか」


今まではめんどくさいサボろう何回もしてきたのに、実際に行かなくていいとなると、憂いた気持ちになるな。いつもと変わらない日常がこんなに恋しくなるとは。やっぱり死が近づくと、当たり前が特別に感じるんだな。


俺は制服に着替えて、下に降りた。するともうすでに友香さんが朝御飯の準備をしていた。今までと変わらなく接してくれている友香さんには感謝だな。まぁ亡くなるのにもう慣れているんだろうが。しかしなぜ俺の代で仕えるのをやめたんだろう。そこが不思議だが。死が近づいたら聞いてみるか。


俺は学校に行く準備終えて、友香さんに見送られながら学校に向かった。うちの学校は県内有数の進学校である。だから大桷受験か近づくとピリピリする。まぁ俺には関係ないがな。


もう少しで死ぬし。それでも補修は嫌だから最低限の勉強はするが。青春できるチャンスなのにそれを棒に振るとかどうかしているからな。そして学校に着くと、俺は自転車を置き校門入る。たくさんのリア充ともがワーワー騒いでいる。朝から元気なことで。なんで進学校なのにこんなリア充多いんだよ。やっぱり文化祭が有名だから頭のいいリア充が集まるのか。俺も文化祭に惹かれた一人だが。


そんなことを思いながら教室に入った。いつも通り視線は違うとからにいっている。誰も俺に興味を持たない。まぁお金持ち奈子とがばれたら興味を持たれるだろうが、そこまでして友人いらないしな。それに青春をする方法もできたし。ふっリア充よ自分達なほうが青春してると思うなよ。こっちは芸能人並みの美少女とデートしたんだぞ。お前達じゃ無理だろう。これこそお金の力!なんか悲しくなってきたわ。


そんなことを考えながら授業の準備をする。騒いでいたリア充も真面目な顔になる。まぁここは進学校だしな。切り替えは早いだろう。俺もすぐに授業に集中できるようにする。


最初は日本史だ。俺はこの教科は先生が教え方が上手くて好きな授業のひとつだ。かつてはこの先生は塾講師やっていたから大学受験のこともよく知っている。すると伊賀先生が入ってくる。


「ほな始めようか」


「まずはなぁーこの古墳っていうのは共通の思想で大君を共通の王っていう意味なんや」


へぇー仕えてる訳じゃないのか。まだ貴族化はしてないんだな。まだ自分の領地と国民も持っているってことか。


それから授業は進み終わった。それから四限まで終わり、昼休みになった。ぼっちご飯の時間だ。まぁもう慣れたからなんとも思わないけど。


俺いつも通り屋上に行った。ここは人がいなくていいのだ。中庭はリア充が蔓延っているから行かない。屋上は暑いのもあってリア充はいない。だからゆっくりとご飯を味わうことができる。


そして弁当を開けて、食べ始める。昨日とは違ってカレーライスだ。暖めるの呪術を使って暖かさを保っているから出来立てのように美味しい。それにしてもこんな細かいのもすることができるなんてほんとすごいな。俺だったら加減をできないから燃やしちゃうぞ。


やがて食べ終わり、片付けた。そして屋上で日向ぼっこをする。暑いがたまに入ってくる風が気持ちいい。ここは俺のベストプレスだ。リア充は中庭でよろしくやっているんだろうが。


まぁいい俺はリア充でも早々おめにかかれない美少女と出掛けられるんだからな。リア充の上だ。せいぜいいちゃついていろ。俺は青春でリア充を越える。


俺は屋上で横になって寝ていると、予鈴が鳴ったので起きて、教室に向かった。教室にはいると誰も俺のほうを向かない。べ、別に悲しくなんかないからね!男のツンデレとか誰得だよ。やめようキモいだけだし。俺は残りの授業も受けて、帰る用意を終えて、教室をでると見覚えのある地味な女子に遭遇した。


「奏?」


するとその少女は振り向いて、俺のほうを見て驚いていた。まさかこの学校に通っている何て驚いた。











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