第6話「私たちを見守って」

私はHANAを守りきれなかった

最後に立ち会えなかった

気づいてあげられなかったし

満足する人生を歩ませてあげられてなかった

1人になるとずっと後悔した

風呂に入って 2時間泣き HANAに話しかけた

風呂が嫌いだったから呼んでも来ない気はしてたけど、、

「前を向こう!HANAがら行けなくなっちゃう!

HANAはまた生まれ変わってくる!幸せだったと思う!」

家族の前では強がった

ううん、自分にそう言い聞かせてた


現実逃避をした

仕事、家族の前では現実を考えないようにした

少し油断するとすぐ悲しくなる

ずっと気をしっかり持って頭では現実分かってるけど

心では寂しくないって言い聞かせた


HANAが虹の橋を渡って3日たった

私は現実が分からなくなってた

HANAはいない、、

でもいる気がする、気配を感じる訳でもないけど

いないという実感がわかなかった

だから家に帰っても寂しくなかった


車や、風呂の時一瞬だけ現実を受け入れる時がある

あ、HANAはいないんだ

と思うと急に悲しくなって止まらなくなる

そして現実逃避をしてしまう


そう、私は今泣けなくなってしまった


看護師だから分かる 悲しみ、ショックの段階

否認…受け入れられず、認めたくないと思ってしまう

私は否認だと

ロスから抜け出さないといけない、現実と向き合うべき

分かってるからこそ実家にも頻回に帰り

言い聞かせ、仏壇にも手を合わせてHANAとお話をする


これからも、私は自分自身と戦っていく


ねぇ、HANA?

あなたはこんな私を見てどう思うのかな?

虹の橋渡れていないのかな?

きっとあなたはこう言うよね

「泣かないで、笑ってよ

もっと楽しく話そうよ、いつもみたいに」って

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