えっちゲーム

 昼を食べ終わって、俺は大満足。

 可愛い先輩と一緒に過ごせる昼は最高だな。手作り弁当も美味かったし。


 俺はなんとなくスマホを弄っていた。


 ネットニュースを見たり、まとめサイトを見たり……アプリゲームのログインをしたり。そんな風に集中していると先輩が構って欲しそうに俺の手を握る。


「鐵くん」

「ど、どうしたんですか先輩」

「む~…」


 放置するつもりはなかったんだけど、先輩が膨れていた。これは構ってやった方が良さそうだな? けど、なんだろう……少しイジメたくなった。


 俺はそのままスマホに集中する。


「……ふむふむ」

「もー! 鐵くんがスマホに集中できないほどにしてあげるもん」

「!?」


 先輩は体を上下に揺らし、大きな胸さえも揺らした。制服越しでも分かる巨乳。ぽよんぽよんと揺れて、これはスゲェ……もうスマホの画面を見ていられない。


「へへーん。鐵くんの視線をゲットしちゃた」

「そりゃ……男なら誰でも見ますって。しかも、美人先輩ですからね」

「良かった~。ついでに揉む?」

「マジっすか……って、遠慮しておきます。さすがに学校でまずいですし」

「別にいいのにな~」


 理性とか抑えきれなくなりそうだし。というか、そんな勇気もなかった。てか、いいのかよっ。


「そ、それより先輩はゲームとかしないんです? 仮にもボードゲーム部の部長じゃないですか」

「もちろんやってるよ。リバーシとか将棋とか」


 そっちかよ!

 それならテーブルにも並べられているわけだが。この部室には、たくさんのボードゲームがあった。リバーシと将棋はもちろん、トランプ、シェンガ、カバカバパニック、人生バトル、野球盤やらやら……他にも今時な遊戯姫、ジャケットモンスターのカードもあった。


「先輩、そういうの好きですよね。じゃあ、時間もまだありますし、ワンゲームやりますか」

「うーん。わたしが今やりたいゲームは違うの」


「……へ?」



 先輩は俺の右腕を掴んで、自身の制服に突っ込ませる。



「どぉ?」

「ど、どぉって……俺の右手が先輩の制服の中に……って、なんのゲームですか、これ!?」


「興奮したら負けゲーム」

「いやもう既にしているんですが!?」

「じゃあ、鐵くんの負け。負けた人は、放課後、わたしと一緒に帰らなければいけません」


「俺にメリットしかない! 分かりました。約束しますよ」

「うんっ。じゃあ、鐵くんの右手は返してあげる」



 先輩の制服の中から帰ってくる俺の右手。

 世界一幸せな右手となったな。



「…………先輩の体温が残ってる」

「……やらしー」

「か、揶揄からかわないでくださいよぉ。先輩がやらせたんじゃないですか~」

「まあね。じゃあ、そろそろ部室を出ようか」

「そうですね、お昼も終わりです」


 椅子から立ち上がり、俺は教室を出ようとするが――先輩が妙に前屈みになっていた。しかも、スカートの中に手を突っ込んでいるようにも見えた。


「……鐵くん、あのね」

「は、はい? どうしたんです。そんなカッコで」


「……今、パンツに手を掛けてる」


「!? せ、せんぱい……」


「欲しい?」


「ま、またゲームですか!? もう勘弁してくださいって!」

「なーんて冗談。鐵くんの反応面白いからさ~」



 さっきから過激になってきているような気が……いやけど、めっちゃ嬉しいけどな。顔はすっげー熱いけど。まったく、先輩のせいで顔が爆発しそうだよ。



「先輩、またメイドして下さい」

「もちろんだよ。わたしは、鐵くんだけのメイドだもん」



 先輩は優しく微笑み、照れくさそうに髪を弄った。あぁ、やっぱり先輩と一緒にいると楽しいなぁ。

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