第4話 勇者じゃないだろう

 - 炎上スキルの効果が上昇しました。-


 おおっ、またスキルの効果が上がった。


 目の前の鉄の扉を殴ってみる。


 ドカーン


 大きな音が響き、扉が半分に割れた。


「ッ!? ほ、本当に勇者様に違いないのですね!?」


「いや、扉割っただけで勇者はないだろう」


「いえ! その扉は由緒正しき『勇者の扉』です。勇者にしかその扉は開けません!」


「開いてないだろう!! しかも勇者の扉という割にはただの鉄の扉だし! もうちょっと格好良く作れよ! 勇者が可哀想だろう!」


「ああ……勇者様…………」


「ブサイクなのに、目がハートってリアルで初めて見たけど凄い破壊力――――」


 ドカーン


 俺は様にぶっ飛ばされ、城の遥か空に飛ばされた。




 ああ~また空の旅か~俺はいつになれば飯が食えるんだ?




 ◇




 今度はどこに辿り着くのかな~?


 そろそろ三日くらい空を飛んでいるんだが……いい加減落ちないかな?



 ドカーン!



 遂に落ちた。


 う~ん、あんなに飛ばされたのに、傷一つないの凄いわ。



「あんちゃん、大丈夫かえ?」


 声がする方に顔を向ける。


 そこには身長の小さいがムキムキなおっさんがいた。


「ああ、大丈夫。問題ない。――――と~っ!」


 おお~十メートルくらいなら楽勝に飛べるな!


「あんちゃん、人間かいな~それにしてもここまで飛べるなんて、すげぇな~!」


「ああ、それはそうと……おっちゃんって人間じゃないよな?」


「おうおう! わいはドワーフ族だぞ!」


「あ~あののんべえ種族か」


「おう~どうだ。うちの所に来てみるか?」


「お腹空いたし、お言葉に甘えるわ」




 俺はドワーフのおっさんに連れられ、山にある洞窟の中に招き入れられた。


「おお~ドワーフらしく鍛冶がメインか~」


「おうおう~ここはわい達の町だぞ!」


 カーン、カーンって音が響いている。


 RPGゲームでも鍛冶と言えば、ドワーフ族だったし、この世界でもそうかも知れないな。



「ん? これは、武器か?」


 俺はテーブルの上に置いてある剣を見つめた。


「おう! それはうちの娘が作ったやつじゃな」


「おっちゃん、娘がいるのか」


「おう! ちょっとやせ細っているから旦那の貰い手がいないが、腕は確かだな~」


 ふぅ~ん。


 俺は置いてあった剣を何気に手に取った。

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