師匠が作った剣を超えるため、男はひたすら槌を握る

ファンタジー作品において重宝される武器は、ミスリルやオリハルコン、アダマンタイトなどで作られたものでしょう。一方、〈てつの剣〉は駆け出しの冒険者が使うイメージが強いかもしれません。

しかし、本作に登場するのは、ゼオンが生涯をかけて追い求めた魂のこもった剣でした。握り締められた槌によって、心地良い金属音が臨場感たっぷりに聞こえて来ました。

高温に熱された鉄のように、胸を熱くさせながら読み終えてください。読後の余韻に、思わず感嘆の息がこぼれるはずです。