第3話

 3日後。

 僕は国立国防学園の入学試験のために国立国防学園に来ていた。

 この3日は特にすることもなかったので、普通に高い宿に泊まってこもっていた。

 校舎の中にはなんというか……この中世の世界観とは絶対に相容れないような現代風の制服を着た生徒たちが自由に活動していた。

 ……やっぱりここは所詮ゲームの世界なんだなぁ。

 なんというか、この7年間でゲームとは、現代で販売するようなゲームの世界とはかけ離れた価値観の中で過ごしてきたからすっごい違和感を感じる。

 校舎の中に入ると、酷く懐かしい匂いが僕の鼻腔をくすぐる。

 酷く懐かしい学校の匂いだった。

 なんで現代の学校と中世の学校の匂いが同じなんだ……。まぁこの世界の建築技術とかも現代基準でおかしなものなのだが。

 そこをツッコむのは酷く野暮というものだろう。

 

 職員室らしき部屋の前に来るとそこにはもうすでに4人位の男女が揃っていた。

 そうだな。見た目の年齢は僕と同じような12歳くらいの子から20歳に近そうな年齢の人もいる。

 王立国防学園は12歳から入学できるのだが、別にどんな年齢の人でも入学できるので一年生の年はかなりバラバラ。

 ゲームをやっているときに同級生としておヒゲボーボーで少し頭皮のほうが心配なおっさんや、明らかに裏組織の人間だと分かるような風貌をした大人たちがいて、かなりびっくりした。

 大学かよ……。僕は前世で大学に行けていないから大学が実際にどういうところなのかは知らないけどね。


「お!どうやら集まったようだな!」

 

 僕が一番最後だったようで、職員室らしき部屋の扉の前に置かれた椅子に座っていた右手に謎に大きな訓練用に刃を潰した剣を持っているスキンヘッドで厳つい風貌をした大男が立ち上がる。


「俺は『近接戦闘』の試験を担当するガイアだ」


「あ、私は『遠距離戦闘』の試験を担当するマリアよ」


『うわっ!』

 

 魔法を使い僕の隣で自分の姿を隠していた色気ムンムンの女性、マリア先生が挨拶する。


「あら?あなたは驚かないのね?」


「ふふ」


 いきなり現れた先生に僕以外の受験生らしき人が驚いているのに対して一切驚きの表情を見せなかった僕を見て先生は驚いたような様子を見せる。

 それに対して僕はなにか怪しげに笑って見せる。

 

「良し!じゃあ試験会場にまで移動する!俺について来い」

 

 ガイア先生はそう言って歩き始める。

 僕達はガイア先生の後をついていった。

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