第3話

 こうして毛だらけ毛蟹祭り。たたいてかぶってジンギスカン。鶏皮ポン酢とアボカドの食い合わせ対決。スープカレーでこんにちわ。などなど、二人は北海道で死闘を繰り広げることとなったのである。本当にごめんなさい。


「やったっ! 依頼料の5万円が溜まったわ。探偵さんが出してくれた飛行機代より少ないけど……これで元の世界に一緒に帰れるね!」

「……」

 大丈夫。お詫びに二十歳のOLはこっそり巧妙な伏線を忍ばせているよ。


「探偵さん?」

「残念だが帰れるのは、君一人だ」

「へ!?」

「本来、時の流れの違う異世界への移動は一方通行。流れの遅い世界から速い世界を覗けばそれは膨張してるように見える。つまり空間が存在し移動が可能。しかしその逆は、空間が圧縮しているのと同じ。そこに隙間はない」

「そんなエスエーフな話、聞いてないよぉ~」

「だが方法はある。異世界人会話の違和感の正体。(ー)は時空に突き刺さった棘。引き抜けばそこに空間が生まれる」

「へ? カタカーナの発音が変だったのそんな大層な理由だったの?」

「さぁ、元の世界に帰るのです」

「あなたを置いて行けるわけがないじゃない!」

「(ー)で空いたスペーースは一人が限界なのです」

「そんな……」

「依頼料を受け取った。そこからは5分で解決するのが私の仕事。どうか私から5分の称号を奪わないで頂きたい」

「あたしの為になぜそこまで?」

「それは……」

 探偵は付けていた鉄仮面を外す。



5分でお漏らし傍聴人:そんな設定あったんかぁ~いっ!


5分で立ち上がった赤ちゃん:ばぶーーーーーーーーっ!



「あなたは!」

「そ。君のファーン第一号さ。あんなことで君がレーバーを嫌いにならなくて本当に良かった」

「そんな……あたし……あなたを……」

「不思議な気分さ。幼かった君がいつのまにか同じ年くらいのレーディーになってるなんてね。さぁ、ゴーミ集積場で拾い集めたコースプレーを脱いで、元の世界で君は輝いておくれ」


「待ってっ! あたし、あなたを……ずっと探してたっ!」






 あれ~また余計なミスした? ーの代わりに=なら二人とも無事に……

 あぃや~でも残り少なくて最後までは書けない。

『5分で解決探偵のテーマ』入れなきゃよかった。生まれてすみません。

 

 けど……そのルールは誰が決めた? 

 未来は他人に決められるものじゃない。未来は自分で決める。

 二十歳のOLだと思い込めば、俺だって二十歳のOLのはずさ。



5分で判決裁判長:そういうことを作者は伝えたかったのではないか? 


   うん。裁判長がいいこと言った。解決だけがすべてじゃない。


      この物語は5分で解決されるべきだろうか?





        だってこの恋は……始まったばかり。






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