第19話 家は建ったが、、、

 なんとか間に合って、予定通りに引き渡しの日がやってきた。まさに、スッタモンダありながら建てられた家が、ついに、ナマケモノの家になりました。相変わらずかぶりつきたいほどかわいい娘が嬉しそうに跳ね回っているのを見ると、家を建てた嬉しさが増す。

 

 間に合ったと書きましたが、どーしても間に合わなかったものがふたつ。

 洗面台の水栓1個と数少ないドアの取手の金具。2個ある洗面台のうちひとつだけ蛇口がない状態。他の洗面やキッチンも水栓は付いているので少しの間くらいなら問題ない。ドアの取手に関しては、玄関スペースとリビングなどを仕切る2つの引き戸の手をかける部分が、木をくり抜いたまま穴が開いている状態だが、開け閉めできないことはない。実際に住み始めるまでの1週間以内に付けられるはずとのことだし、そこだけないっていうのも、ちょっとおもしろいので良しとした。

 

 最終確認に際しては、ハウスメーカーも、いつも以上に注意して行ったはずだし、我が家側も出来る限り漏れがないよう確認したつもりだった。

 それでも、出来上がってみると、漏れがあるのです。何箇所も。普通の流れで建てたらどんだけ確認漏れが起こるんだ⁈と驚いた。


 もう少ししっかり考えたかったとか、住んでみてここはもうちょっとこうのがよかったねなどは出てくるものです。家建てるあるあるかと思う。ただ、我が家の場合、担当が変わったり、時間が足りなかったりが影響してか、引き渡しの日から結構な不都合が続々と発覚する。

 サンルームが思ったよりだいぶ狭い…とか、階段の段板の奥行きが思ったより狭い…とか、まぁ出来てみないとわからないそんなことはしょうがない。

 そういうのとはちょっと違った、あれ?なんで?と思ってしまう不具合が、こんなにあるのかと思うほどあった。

 書斎のカウンター下に、いらない棚が付いていて椅子が入らない(…これは前担当さんの発注番号記載ミス)とか、靴箱の棚板が短くて棚になってない(…これは現場監督発注ミス)とか、ハンガーポールがこれまた発注ミスで短い…とか、お店のカウンターの高さが5センチも低い(…これはどこでのミスかわからない)とか、コンセント挿すとこ足りない(…確認不足)とかここにはいらない(…確認不足)とか、ここの収納の奥暗くて見えない(…想定不足)とか、変なところに手すりついてる(…よかれと思って)とか、玄関外のステップの手すりが付く位置を散々考えてステップが広くなるように設計したのに付ける大工さんが間違えた(…連絡ミス)とか、乾燥機の位置が高い(…想定不足)とか。

 発注ミスから連絡ミス、はたまた原因不明の謎のミス…こんなにあるのは、果たしてあるあるなのだろうか。ここまでくるとそれはそれで笑えてくる。

 玄関の内側の靴箱スペースの横に、濡れたコートとかジャケットとかをかけられるように1メートル弱のハンガーポールを付けた。取り外し可能なタイプで高さも変えられる仕様のもだか、入居時、ポールが取り付けてない状態で棚の上に置いてあった。付けようとしてみると、ポールの幅が何センチか足らなくて付けられないのです。発注をミスって少し短いのが届いてしまったとの説明。すぐに発注し直しています!とのことで、届くのを待っていたある日。現場監督さんがやってきて、あのぉ…ポール届いたんですけど…また、発注番号間違えちゃって…こんなのが届いちゃって…とズボンの後ろポケットから20センチくらいのポールをそっと出したのです。短っ!更に短くなってるじゃん!ツボに入ってしまって、大笑いしたので、もう怒ることもなく、正しいものがいつごろ届くのかだけ確認して帰っていただいた。

 色んな不手際が重なった案件で、もうこれ以上ミスっちゃダメって時に限って、更にミスしてしまうってこと、確かにある。なのでミスはしょうがない。直してもらえればそれでよしと思うことにした。

 

 そんなこんなもありながら、とりあえず直せるところは直してもらって、ようやくそれも落ち着いたところで、ついに、かの問題の元となった前担当Mさんと対面することになった。

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