第6話:お供その二


 「おうっ、そこのねーちゃん、そこの変態ねーちゃん!!」




 「どぅわぁれが変態よぉっ!」




 しまった、男なのにスカートみたいなモノ穿いてる変なのを無視してたのに思わず反応しちゃった!



 「いや、男物の下着パンツ穿いた嬢ちゃんに女もののタイツ穿いてキャットウォークした変な魔導士が変態でなくて何になるんだい?」


 「ぐぬぬぬぬぅ……」



 今のあたしたちの恰好を見れば確かにそう言われても仕方ない。


 

 「噂は聞いたぜ、あんた女勇者なんだろ? 俺は剣士。悪い魔王を倒しに行くなら俺も付き合うぜ!」


 にこやかにそう言うこの男は確かに背中に二本の大きな剣をクロスさせて背負っていた。

 誰がどう見ても剣士なのだけど、民族衣装か何かなのかな?

 民族衣装にしてはもの凄くスカートっぽい。



 「いや、なんかもう間に合っているので要らないです」


 「まあそう言うなや、こう見えても俺には『戦姫』と恐れられた人の加護があるんだぜ!」



 はぁ?

 何言ってんのこいつ??


 そうあたしが思った瞬間、何故か突風が吹き荒れる!?



 「あら、いやーん♡」


 「ぶっ!」



 見えちゃった、思わず見ちゃった!!

 すね毛が沢山有る筋肉の盛り上がったおみ足の、太もものさらに上、どう見ても女ものの下着パンツに真ん中がもっこりと盛り上がっているモザイクがかかるようなモノが!!



 「いやぁーっ! どっちが変態よぉっ!! お、女モノの下着ぎぃっ!!!!」



 「何言う! この下着こそが『戦姫』が穿いていたという神器! このフィット感、確実に包み込んでくれるから横揺れしなくて済む安心感、ちょっときついけど大変なのは朝のパオーンとはぁはぁしちゃった時だけ! これの何処が変態なんだよ!!」



 いやもう全部!

 無理っ!

 こんなきっついの無理ぃ!!



 「ふむ、本当にこれは『戦姫』の下着パンツだな。その加護たるや一騎当千に値するぞ!」


 「あん、いやん♡」


 ぴらっと魔術師のおっさんはスカートをまくり上げ確認をする。

 そして二人してサムズアップしてあたしに言う。



 「「これで大幅に戦力アップだな(じゃな)!!」」




 こうしてあたしの意思と関係なく変態の仲間が増えていくのであった。

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