第3話:勇者の使命


 「ふむ、そなたが新たに現れた勇者か…… ぷっ!」



 おいこら王様、あたしを見て笑ったろ?



 大広間であたしははすかしめを受けている。

 周りの貴族や騎士に大臣たちもひそひそと中には笑いをこらえていやがる。


 神官があたしを王城に連れて来て勇者だと言う。

 町娘のあたしが勇者なわけないと言うと、涙ながらに神官は鑑定結果分かった事を話し始めた。



 「いわんや、童貞チェリーボーイだった先々代の勇者の怨念がその下着に宿り彼女を勇者にしておるのだ。念願の脱童貞チェリーボーイの瞬間に魔王が復活してパンツを脱いだまま前戦に連れ去られはかなく絶命した先々代の勇者の怨念が『魔王ゆるすまじ』と今この時に復活した魔王を倒さんと彼女にとりついて戦いに向かおうとしているのだ!」



 何それ迷惑!

 そんな理由であたしに取り憑いてんの!?



 「なんであたしなんかにぃ…… うっ! ちょ、ちょっと御花を摘みおトイレに……」


 「あ、魔王討伐しないとそれ脱げんよ?」



 おいこら神官!

 何言いだしてんのよ!!



 「では勇者ソミアよ、魔王討伐をして人々を救ってくれ、ぷっ!」



 王様!

 緊急事態で内股でプルプルしているあたしを見てなに笑ってんよ!!



 「乙女はお〇っこ排尿う〇こ脱糞しないから大丈夫じゃろ?」


 「そこぉっ! 何妄想入ってるの!! 緊急事態よ、何とかしてよ!!」



 神官も笑いをこらえてやがる!


 

 「では魔王討伐してくれるなら【浄化魔法】教えてやろうかの。体内の不浄な物排泄物もこれで奇麗に無くなる呪文じゃ。どうするかの?」



 足元みやがってぇ!



 「する、するから呪文教えてっ! じゃなきゃ乙女の尊厳プライドが汚れてしまうわ!!」


 「約束じゃぞ?」



 にたり顔の神官から【浄化魔法】を習って危うきを回避したけどその後しっかりと殴っておいた。

 王様も他の人も流石に何も言わなかった。




 はぁ、なんであたしが……

 

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