ひろゆきっぽい老爺のかさじぞう

ひと里離れた山の奥におじいさんとおばあさんが住んでいました。 年も迫った大晦日、おじいさんは雪の中を笠を売りに町に出かけますが、ひとつも売れませんでした。 おじいさんは吹雪になりそうな気配がしたので、笠を売ることをあきらめ家に帰ることにしました。


てことでスタートです。


「ッスー、傘ってなかなか売れないんすよね」


鮮やかな自己分析をしているおじいさんですが、なんかこのおじいさん誰かに似ている気がしますね。


「帰ったらお酒ってことで、今日は、、バド〇イザー、、ですかねw」


おじいさんだからお酒はまぁ普通なのですが、なんなんでしょう。パソコンとマイクの前に座って喋りそうです。

上手くこの後出てくるお地蔵さんに傘をかけられればいいのですが、果たしてちゃんとやってくれるでしょうか。


さて、お地蔵さんが見えてきました。


「ッスー。寒いんすよね」


あれ、スルーします。え、ちょっと待って。お願い止まって。物語終わっちゃうから。


「おい、そこのじいさんや止まりたまえ」


え、いや、ナレーターである私の声が漏れたわけではありません。声がするのはお地蔵さんの方ですね。え、いや、まぁもうお決まりでしょうがお地蔵さんが喋ったのでしょう。驚きませんよもう、ナレーターの数こなしてるので。


「えっと、まず名乗ってもらっていいですかw」

「名乗るも何も私は地蔵だぞ」

「じぞーってなんすか」


おじいさん。写像じゃないですよ。


「私のことだ。お地蔵さんだよ!」

「えっと、僕オカルトとか信じてないんすよ。お地蔵さんが喋るってありえないんすよね」

「いや、あの、今回は信じて欲しいというか」


お地蔵さんたじたじじゃないですか。


「仮にあなたが、喋るお地蔵さんだとしましょう。なんかそういうデータあるんすか」

「いや、目の前に喋るお地蔵さんいるんだから証拠になるんではないかと」

「はいはい、ほぇー。なるほど。君頭いいね。たしか視覚からの情報って五感の中では6割…だったかな?で、1番脳が情報を得られるんですと。ッスーそれを知ってるだけで優秀なんで大丈夫だと思いまーすはい。」


目をパチパチしながらおじいさんはお地蔵さん置いてけぼりで勝手に理解したそうです。


「あの、私の話そろそろ聞いてもらっていい?」

「あぁはいはい、どうぞ」

「あの、その傘かけてくれないかい」


やっと本題に戻りました。おじいさんめっちゃ喋るので私の出番ないですよ。勘弁してください。


「えっと、なんでですかね。理由教えて貰っていいすか」

「いや、あの寒いから」

「それってあなたの感想ですよね。この傘って売り物なんすよ。僕はこの傘を売って生計を立ててる訳で生きてく上で大事なものだと思うんすよ。それを取るってどういう神経してるんですかね」

「えっと私地蔵だから」

「地蔵だからってw。えっと僕の知り合いに頭の悪い死んだ魚の目をした性格の悪いおっさんがいるんですけど、その人って相手のこと考えないで行動してるんすよ、で、結局友達いなくなってるんですよね。はい。だからあのー、そういうこと言うの辞めた方がいいと思うんですよ」


お地蔵さんに何言ってるんでしょうか。お地蔵さんに説教することこそ1番の罰当たりなのではないかと…

てか、本当によく喋りますね。ただ傘を乗っけて帰るだけの物語でここまで進まないことありますか。


「多分傘乗っけたらいい事あると思うよ」


等々痺れを切らしたお地蔵さん。返礼品のことをほのめかしはじめました。


「不労所得のことですか。えっと、不労所得ってほとんど存在しないんですよ。よく勘違いしてるんですけど銀行の金利くらいしか不労所得ってないと。で、それをわかってない方が多いんですよね」

「あ、いや、ちが、えっと」


勝手に間違った解釈してるのはご愛嬌ですかね。


「あの、うちの彼女というか奥さんというか家内というか妻なんですけど、家で待ってるんすよ。帰っていいすか」

「わかった!わかった!後払いするから。傘買うから」


まさかの傘買う宣言。ただし後払いうのはよく思われないのではないでしょうか。


「日本人って律儀なんで後払いでも払うんすよね。なので、あのぉ後払いでも大丈夫かなーって思うんでいいっすよ」


あら、なんとOKです。というかちゃんとお地蔵さんが買ったことになりました。


「お支払いは今日中に家の前に置いときます」

「えっと、なんだろう。お支払いは現金の方がいいっすね、うちの妻が現金好きなんで」

「ガラッ。好きじゃねえよ」

「あ、はいwすみませんw無かったことにしてください。本当にすみませんwえー」


ちょっと待て。奥さんどこから出てきた。どこから声出てきた。登場してないでしょ。え、なに、怖いんですけど。


「とりあえず家の前に置いときます…」

「はいはい、じゃあ待ってまーす」


何はともあれ無事傘をお地蔵さんに与えたおじいさん…まぁ米俵来るでしょう。家の前に。


「あ、米俵でお支払いか。いやぁ面白いね。生活保護受けなくてすむんじゃないっすかね。ご時世的にお米って凄い重用なんすよ。これ、へーって話ですよね。」


あれ、最後他の似た系統の方出てきましたが…ま、まぁともあれハッピーエンド

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