観光

二日目の朝。


昨日は移動の疲れもあって、お風呂の後は二人とも熟睡した。疲れはちゃんと取れてるようだ。


朝食はバイキング。クロワッサンやハム、スープなどが置かれていた。何人か日本人も見かけた。


食後のコーヒーを飲み、部屋に向かい出かける準備をする。


「あかり、今日の観光は予定通りここに行くんだよね

弥生が旅行雑誌を広げる。今日は一日観光を楽しむ日だ。


オーロラも見に行きたかったけど、今回はあかりが見る夢を探す旅がメイン。また次の機会にする事にした。


駅近くのホテルにしたおかげで交通にすごく便利だし、何よりこの周辺には観光スポットがたくさんある。

日本とは違った街並みをブラブラと歩いて回る、それだけでも楽しい。


ヘルシンキではほとんど英語が使われている。フィンランド語は最低限の挨拶や、買い物の時に使う言葉を中心に、少しだけ勉強してきた。


例文が載った本を持ち歩けば良いよって佐々木さんが言ってた。弥生は英語が得意だし、一人旅じゃないからきっと大丈夫。



ホテルを出て最初に向かったのはヘルシンキ大聖堂。

朝早い時間だが、街はすでに人がたくさん行き交っている。積雪は昨日空港で見た時と変わらなかった。


雪道に慣れない二人は、転ばないようにゆっくりと歩く。


周りをみると皆の歩くスピードが早い。歩き方にコツがあるみたい。

二人は一度立ち止まり、歩く人の足元を観察する。


何となく分かったかもと、あかりは歩き方を弥生に披露する。

「どう?この歩き方なら行けるかもよ。」

弥生も真似して歩く。

「おぉーさっきより歩きやすくなった!」


そんな事をしながら、ヘルシンキ大聖堂に着いた。

外観も内装も美しく、中に入ると人がたくさんいたが静かな雰囲気。

ちょうどパイプオルガンの音色も聴こえてきて、大聖堂の美しさをダイレクトに感じた二人だった。


次はキャラクターショップに向かった。

店内は混んでてゆっくり見れなかったけど、何点か小物を買った。

「このキャラクターってほんとかわいいよね。家に置いてるグッズ、どんどん増えてきてる気がする。」


買った袋を手に持ち、景色を楽しみながら歩く。何て贅沢な時間なんだろう。楽しくて仕方ない。


「ちょっとランチの時間には早いけど混む前にカフェに入ろう。」

キャラクターショップの近くにあるカフェに入り、クロワッサンとサーモンスープとサラダを注文する。


「うちら毎日クロワッサン食べてるね。美味しいし好きだからいいけどね。」

二人は笑いながら話す。


「次はここ行こうよ。ほら、あかりが行きたいって言ってた所。」

「そうだね。まだまだ時間あるし夕方まで観光しよう!」


地図を見ながら街を歩く。

あちこちにクリスマスツリーが飾られている。

賑わう街に二人は溶け込み、旅の途中を楽しんでいた。

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