【ZAW1.5期】ディラン・スターリンの手記

風詠溜歌(かざよみるぅか)

旅の始まり

 愛する者が死ぬ。

 そんな予言をされた時、人は何を思い、どう行動するだろうか。

 たとえ一縷の望みだとしてもそのものを救う希望があるのなら。

 これは、ある男が愛する者を救うための物語である。



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【手記】

D.1347 深雪の月17

雪が降りしきる深影の森にて


 この手記は、ディクライット王国附属アウステイゲン騎士団員であった、ディラン・スターリンの所有物である。


──ディクライット暦1347年、深雪の月17


 この日をもって故郷を捨てた私の旅先での事柄を綴っていくものとする。

 私が何処かで命を落とした場合、そしてこの手記を拾った者はどうか、その手で私の愛するただ一人の女性──ティリス・バスティードへこの手記を届けて欲しい。


 願わくばこの手記が彼女の元へ届く前に、私がそこへ戻っていることを。



ディラン・スターリン


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