Film 13. 『ラスト・クリスマス』☆

(☆マークはクリスマス映画!⛄)


 1980年のイタリア映画(※2019年作の同名アメリカ映画とは無関係)。1時間39分(短め!)。

 少年の幼く無垢な愛と一途な想いが胸を打つドラマ。


 トミーは生まれてから8年間、病院で暮らしている。生まれつき免疫を持たない特異体質のため、無菌室から出られず、人と直接触れ合うこともできない。

 毎日会いに来てくれる同年代の少年・ラリーのおかげで性格は明るかったが、自分の病気のせいで両親の仲が上手くいっていないことも感じ取っていた。二人は離婚を決めたことをトミーには隠していたが、トミーはそれも察知して、ついにある決断をする……。


 涙なしには観られない!

 誰かに抱きしめてもらったことも、土や草のにおいも知らないトミー。子供らしいかわいい願いや思いやりも、免疫のない彼にはすべて命がけです。

 古さもあって、今の時代に観るといろいろ物議をかもしそうな部分もありますが(あんな子供部屋みたいな無菌室が実現可能だろうか?とか)、同じ状況に置かれた子供の気持ちについては、この物語と大きく変わることはないでしょう。


 そもそも大人の話題に、子供は口をはさめません。

 それはよくあることですが、トミーの場合は歯がゆさもひとしお。

 そんなトミーがしかし、ある意味「自分にしかできない方法」で、大人の両親にかけ合ってみせるのです。その行動力と決断力にも熱く胸を打たれます。


 また、むしろ今のこの時代なら、“免疫”や“抗体”について皆様の関心も高いことでしょう。

 もしかしたら、みんながトミーのような生活を強いられるかもしれない……というのは脅しすぎですが、感染症に免疫がないことの不安/あることの安心感を、このところは日常的に感じているのではないでしょうか。

 であれば、トミーの気持ちにもいくらか寄り添いやすいのではないかと思い、この映画を選んでみました。


 これは家族が愛を確かめ合い、そして健康を喜び合える物語でもあります。

 ご夫婦で、あるいは年齢を問わず親子でいかがですか?


 クリスマスまであと7日! いよいよラストウィークです!

 それではメリークリスマス!

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