4

 エレベーターに乗った直後、ガタンと言う音と共に大きく揺れた。それにつられて床に倒れ込んだ。


「うわっ……!」


 全身を床にぶつけると、エレベーターの中は突然、真っ暗になった。


「嘘だろ……! おい、何だよ急に…――!?」


 エレベーターの中が暗くなると俺は携帯の明かりを頼りに辺りを照らした。何度ボタンを押しても反応がなかった。その瞬間、自分が中に閉じ込められたと悟った。そう思うと全身の血が一気に退いた。


 暗闇のエレベーターの中に閉じ込められた恐怖は、なんとも言えない恐怖だった。俺は階のボタンの一番上にある通話ボタンを押して助けを呼んだ。


「閉じ込められた! 誰か助けてくれ!」そう言って必死で助けを求めた。だが、いくら助けを求めても応答がない。


「クソッ、誰かいないのかよ……!?」


 そこでイラつくとドアをバンバンと叩いた。だが、むなしい音だけが響いた。


「嘘だろ…――!?」


 助けが来ないとわかると床に座り込んだ。そして、携帯電話で助けを呼ぼうとした。だが、よりによって圏外になって繋がらなかった。その瞬間、切ないため息をついて頭を抱えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る