4.サバイバルゲームに同行することになった。

とりあえず連絡先を目の前にいる人達と連絡を交換した俺と勝平は、改めて

自己紹介をすることにした。


「えっとぉ〜……俺の名前は伊上 翔也 と言います。こっちは俺の友人で 鈴木 勝平 です」


「俺、鈴木 勝平です! 現在H大学の方でIT系の勉強をしています! よろしく!」


そこまで言うか?


「ああ、ご丁寧にどうも。俺の名前は西沢にしざわ 祐二ゆうじ。彼女はあやって名前だ」


「よろしくね!」


こっちはこっちで気にしてなさそうだから大丈夫か。


何てことを思っていると、祐二さんがスマホを取り出して画面を俺達に向ける。


「俺達が行こうとしているフィールドは、この場所なんだ」


画面にはサバゲーをするであろう場所のホームページが映っていた。


「へぇ〜……思ってたよりか、しっかりしているんですね」


「しかも道路の側にあるなんて……BB弾が外に出たら危なくないですか?」


「その点に付いては安心していいわ。ほら、フィールド周囲に高いネットが張られているでしょ」


確かに……彩さんの言う通り網目の細かいネットが設置されている。


「それに設備も充実しているから、初心者でもオススメ出来るフィールドよ」


「初心者でもオススメ出来るフィールド。何か面白くなって来たな」


「う、う〜ん……」


正直言って、不安要素しかない。


「大丈夫だって! 変なお店に行く訳じゃないんだからさぁ!」


いや、お前が何か問題を起こさないかって不安だけど……。


「念の為にこの場所のURLはグループラインに入れておくわね。住所もホームページに乗っているから、現地集合でも構わないわよね?」


「その前に彼らがどうやってフィールドまで行くのか、聞かないとダメじゃないか?」


「あっ⁉︎ そうだったわね! 私達は車で行くのだけれども、アナタ達は何で来る予定なの?」


勝平がバーテンダーに頼んだカクテルを飲んでいるので、俺が代わりに話をする。


「えっとぉ〜……俺が車で勝平を連れて行き来ます」


中古で買った軽自動車が実家に駐車している。


「そう。予約の追加しちゃおうかしら」


彩さんはそう言うと、スマートフォンを操作する。


「なぁ……念の為聞いておくけど、サバゲー用のゴーグルをレンタルするか? それともここで買うか?」


「ゴーグル?」


「レンタル?」


※サバイバルゲームフィールドに予約のやり方を、この私教官が教えよう!

分かっている人もいるだろうが、まぁサバゲーを始めたい人向けだから目を瞑ってくれ。

先ずはホームページを開き、参加予約フォームに入る。そこで代表者の名前のや住所、それに電話番号のメールアドレスに参加する日時の他に、自分を含めた参加人数。ゴーグル及び服やエアガンのレンタルする数。そして送迎バスの有無がある。

これらを記載した後に予約ボタンを押せば完了する。

これは知っているヤツからしてみれば当たり前のことだが、フィールド内で起きた事故及び怪我の大半は自己責任なので、予約フォームの映る同意ボタンを押さなければ予約をすることは出来ない。

そしてフィールドによっては初心者の為に道具一式レンタルや、BB弾の入ったボトルを無料で渡してくれるところもあるぞ! 予約する前にそこら辺も調べておけよ!


「ここは初心者パックがあるから、ゴーグルとウェアとエアガンがセットで借りれるけどぉ……」


「BB弾までは借りれないだろう?」


「う〜ん……BB弾も初心者パックに入っているから大丈夫よ」


へぇ〜……サバイバルゲームって、初心者パックがあるのかぁ。


「それと、予約の変更の方は完了したわ」


「ありがとうございます、彩さん! 俺、当日頑張りますっ‼︎」


「期待してるわよ」


「あんまり張り切り過ぎるなよ。怪我すると困るからな」


祐二さんはそう言うと、自分で頼んだカシスを飲んだ。


「勝平。一応確認しておくけど、お金の方は大丈夫なのか?」


「大丈夫大丈夫。サバゲーの参加費用ぐらいなら出せるって」


「昼食代合わせて4000円ほどだぞ」


それぐらいなら、コイツでも出せそうだな。


「さてと……彩、そろそろ帰るか?」


「そうね。アナタ達はまだここにいるの?」


「はい! 俺他の銃も撃ってみたいんで、ここにいます!」


「他の銃って……今度はどの銃を撃つつもりなんだ?」


「あそこに飾ってあるヤツだ!」


勝平が指をさした方向を見てみると、ハリウッド映画に出て来るような銃があった。


「上の長いヤツか? それとも短いヤツ?」


「上の長いヤツだ!」


「ナイツMk.11ですね。アメリカ海兵隊が使用しているセミオートスナイパーライフル。お持ちしてみますか?」


「します! お前も何か気になったものがあるんなら、持ってみろよ」


「えっ⁉︎ でも……」


撃つ気もないのに、持つのはよくないんじゃないか? と思っているところに、バーテンダーがそのMk.11 とか言うエアガンを勝平に渡しながら俺に話し掛けて来る。


「お持ちしてみるだけなら無料ですよ。空撃ちはご遠慮下さい」


「空撃ち?」


「弾が入っていないのを分かってても、撃つ行為のことだ。マスター、会計を頼むよ」


「かしこまりました」


祐二さん達はお金を支払うと、俺達の手を振ってからお店を出て行った。お店に残った俺達の方は、店に飾ってあるエアガンを見ながらお酒を飲んで嗜むのであった。

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