第7話 クーデレ少女は積極的

「えーと、訳を聞いてもいいかな?」


 戻るとガルガとホルスが倒れていた。

 正確に言うと丸こげ状態になっている。


 ……なんで?


「アリー、少しお仕置きしただけ」


「少しのレベルには見えないんだけど……?」


 何故か燃やすことを当然のことのように言っているこの子はアリーシャ。

 火魔法が得意な美少女。

 ユマの次に年齢が若い子だ。


「アリー、頑張った。マスターは褒めてくれないの……?」


 え、これ褒めるべき行為なの?

 アリーはどこか常識が抜けている。


「僕的には褒めれないね」


 丸コゲにして褒められるのは豚の丸焼きぐらいだよ。あっ、七面鳥もか。


「でも争っている時、マスターの大切にしていた予備の仮面壊したよ?」


 何っ!? あの新しく入手した漆黒の仮面を……!?


「よし、良くやった! 偉い偉い!」


 後でガルガとホルスにはちょっと痛い目に遭ってもらおう。


「アリー、ましゅたぁしゅき~」


 頭を撫でてもらって気持ち良さそうだ。うん、小動物みたいで可愛い。


「僕もアリーのこと好きだよ」


 仲間として。


「アリー、マスターのお嫁さんになる」


「うーん? 僕なんかのお嫁さんになったら大変だよ?」


 アリーはたまにこうやって求婚してくることがある。おそらく冗談だろう。


「ううん。アリーはマスターの全てを受け止める」


 腕を広げてまるで受け入れるというポーズを取る。

 

 すべてかぁ。僕の不細工な顔も受け止めてくれるのかな……。


「………もしものことがあったらお願いするよ」


 孤独死は嫌だしね。もしも僕に彼女が出来なかった時はアリーに貰ってもらおう。


「ん、アリーとマスターは結ばれた。すなわち正妻」


「いや、もしもの時ね?」


 そして何でみんなそんな怖い顔で僕を見るの……? 僕みたいな不細工がアリーみたいな美少女を貰うことに不満なの?


「じ、じゃあお姉ちゃんは2番目の奥さんに立候補する~!」


 何故かそう手をあげる者がいた。

 しかも2番目の奥さんって何? 不倫?

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