第9話残酷な結末

さて、最後の二射の順番が回ってきた。

先ずはヒロキが放つ。音がしない。次は正樹。

正樹は何故か勃起していた。

そう、もう試合どころの精神状態ではないのだ。もし、光一が皆中すればまた、キスだ。

あの、唇の感触を思い出したり、2人の彼女の事を思い出して、もう集中できないのだ。

正樹が放った!


パンッ!


正樹はホッとした。だが、ギャラリーがざわめいている。

正樹の放った矢は、的を大きく外し、隣の2年の的に中っていたのだ。


終わった。


4人とも、甲矢を外した。だが、最後の光一の的から、

パンッ!

と、乾いた音がした。

おいおい、今日の光一はどうしたんだ?

那須与一なすのよいちが舞い降りたか?


団体戦は敗退したが、光一が十射皆中したのだ。個人戦の入賞が見込まれたが、光一は十一射目を外し敗退した。


試合後、正樹は直ぐ様学生服に着替えた。やってらんないって感じだ。

ヒロキは、八中したため明日は郡山に交際を申し込む事を正樹に伝えた。

そして、肝心の光一が正樹にささやく。

「約束、守ってね」

「う、うん」

正樹は後悔した。光一の実力以上の結果を残し、ただただ正樹とキスしたい執念を甘く見ていた。

顧問の小園が帰りのバスの中で、わざわざマイクを使い話し出した。

「今日は、皆、良くやった。地区大会は期待しているからな。特に男子、今日はご苦労さん。1年も2年男子を見習い、練習に励むんだぞ。はい、終わり」


明日は何が起こるか分からない正樹は胸が高鳴った。

カクヨム運営部に警告受けない程度の事を書いてくれ作者様かみさま

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