第3話ヒロちゃんセクハラをする

今日もまたキャプテンこと西正樹は家庭菜園をクワで耕し、野菜に水をあげていた。今日はヒロちゃんが、1年女子部員を指導する日だ。

早めに家庭菜園の作業を終わらせた。

道場に入ると、ヒロちゃんが1年の水原を指導していた。


「そうそう、左手は添えるだけ~、はいっ、ため~。そうそう、ためはゆっくり~」

ヒロちゃんは水原の後ろに立ち、手を添えて指導していた。途中、水原の髪の毛の匂いを嗅いでいるのが分かった。

「はいっ、離して」


パンッ!


「やった~、ヒロキ先輩ありがとうございます!」

「君は筋はいい」

「あっ、キャプテン、家庭菜園もう終わったんですか?」

「うん、トマトとキュウリにゴーヤ。後で顧問の小園先生に渡そうと思っててね」

ヒロキはキャプテンがずっと見ていたのが恥ずかしかった。

キャプテンにヒロキは近より、尋ねる。

「ねぇ、キャプテン、ずっと見てた?」

「うん」

「髪の毛の匂い嗅いでるところも?」

「うん」

「身体を密着させてたところも?」

「うん、ついでに水原に股間を当てていたところも、観察していたよ!」

「キャー、恥ずかしい」

「なぁ~に、気にすることはねぇ。今日はオレのおごりだ。女子部員の指導は任せた。オレは男子の指導に回る。来月の三道大会優勝するよ!」

三道大会とは、弓道、剣道、柔道で三道と呼ばれ、地区大会の練習になるのだ。


「次は郡山こうりやま

郡山は1年の中で最もミルクタンクがでかい。

「はぁはぁ、そうそう丹田に力を入れて~」

『くぅ~、たまんないぜ!郡山は。いっけね。チンチンが~』

その時だ!

「ヒロキ君、それってセクハラじゃない?」

言い出したのは、武蔵丸に似ている2年の田嶋だ。

「バ、バカな事言うなよ!」

「キャプテンは、矢でいつも指し棒の様に、指導してるのに、ナニ興奮してんのよ!」

「何だと、田嶋!オレのどこが興奮してんだよ!」

「だって、勃起してるじゃない!」

「……これが、オレの普通サイズだ!何なら、見てみるか?」

「先輩!やめてください。先輩の指導は丁寧です。でも、"はぁはぁ"するのは辞めて下さいね。それと、身体を密着させないくらいの距離感で」

そう、郡山は言う。

「ふん、次やったら、ただじゃおかないからね。変態!」

「何だと、武蔵丸!立派な鮟鱇型あんこうがたしやがって」


一方、男子チームは巻きわらで練習をしていた。

キャプテンは、矢を使い、

「ダメダメ、体が斜めっ!」

「す、すいません」

「いいから、次はためだ。そ~そうそう」

と、平和だ。

そうこうしていると、道場に光一が現れた。

すかさず、ヒロキが近寄り、

「光一は目が充血している女が好きって、お前も変態だな?」

「は?」

「レッドアイ好きなんだろ?」

「……アハハハハ。あれね!」

「キャプテンが言ってたぞ。蓼食う虫も好き好きって」

「あの~、レッドアイってお酒の事なんだけど」

「お酒?」

「ビールをトマトジュースで割ったやつ」

「お前、高校生なのに酒飲むのか?」

「お父さんが飲んでるの見て、一口飲んだだけだよ。トマトジュースの味しかしないけど、大人になったら飲みたいだけ」

「あんのヤロー、恥かかせやがって!田嶋といい、キャプテンといい、今日は最悪だぜ」

翌日、恥をかかされた宏樹のキャプテンへの復讐劇がはじまるのだ。取り敢えず、田嶋のスニーカーに画ビョウを入れた。








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