黒々と開く穴

 主人公は、どんな気持ちでそれを作っていたのだろう。たぶん、うきうきしながら鼻歌まじりに手を動かしていたに違いない。

 本人は首尾一貫しているつもりで、はたから見ると支離滅裂になっている狂気は恐るべき文学的スパイスだ。かくて観覧車は永遠に回り続ける。

 詳細本作。