皇女の私だから己の地位と身を守る為に、元彼、婚約者を裏切った結果、末路は……?

かず斉入道

第1話 プロローグは多分? 熱いキスだった? (1)

「うご、うご、うぐぐっ、ぐぅ~っ」


 ……ん? 何? この柔らかい感触……。




 そして、舌ざわりと歯ざわりは……と、思う。


 今迄気を失っていた少年なのだが。彼は自分の意識が戻ると、直ぐにこんな違和感を覚える。


 だから少年は、「(不思議?)」、「(可笑しい?)」、「(何これは?)」と、己の脳裏で思うのだ。


 だって彼の可愛らしい口の中で、何かしら異物が混入して動いている。


 それもさ? 大変に激しく、柔らかい物が、未だ未成熟な少年の口の中で激しく動く、だけではないのだ。


 彼の口の中にある柔らかい舌へと激しく絡み巻きついてくるから。目が覚めた……。




 今の今迄、記憶、意識無く横たわっていた少年の意識が戻るなり。こんな不思議な味と感触を堪能するのだから。


 少年が己の顔色を変え、困惑。動揺をするのは致し方ないと思われる。


 それにさ、彼は? 意識は戻ってはいるのだが。未だ自身の両目を覆る瞼を閉じたままの状態なのだ。


 だから自身の口の中で激しく、荒く、動き、絡めてくる物が何物なのかを確認できないでいるから。


 彼が己の眉間に皺を寄せて怪訝しい表情をするのは致し方がないことではある。


 そう、あるのだが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る