最低評価の主人公が、かっこよく才能を開花させていく物語

 《11話までの感想》
 主人公が強い!物理的な殴り合いならば、普通は3人も相手にしたら勝てないところですが、一瞬で十数人を倒してしまいます。もちろんタネはあるのですが、まだまだ詳細は明らかにはなりません。そのタネ明かしが、一つの楽しみですなぁ。
 また、成人の儀式である「降臨の儀」で、主人公は最低評価を受けてしまうわけですが、実際にはこうして活躍できてしまう訳です。いったい何を評価してんのこのザルは、と思ってしまいます。これもこの世界の大きな謎なんでしょう。最後には明らかにして欲しい物です。
 まだまだ、物語は始まったばかりですが、色々と物語を広げるネタは仕込まれているように思います。それらが充分に活用できるよう、今後も期待しています。

 《全42話+エピローグを読んで》
 この物語は主人公の成長譚かと思ったのですが、いわゆるRPG的な意味では成長してない!少しずつやることが大きくなっているけれど、基本は同じ。
 では、何が変わったか?『所詮"出涸らし"と自分を蔑む』ことを止め、他者からの決めつけを跳ね返し、内面を変えることによって、外界を変容せしめる。これこそが真なる魔法の行使であると言えよう。
 ただ、主人公はこれを一人で成し遂げたわけでなく、何度も信頼できる人々からたしなめられてのこと。それに嫌な奴ですら、世間が己をはかる物差しになり得る。と言う訳で人付き合いって大切ですね。
 最後に、帰還のために魔道具を使う一連のシーン、とてつもなく格好良いです。是非、ご一読を!