5、決意

「はあ、はあ、はあ、はあ……」


 私は帰ってきた。彼女たちが言っていた血液の入った浴槽と、私の家の血液の入った浴槽は本当につながっているらしい。時間にして何時間の間、私はあっちの世界にいたのだろうか。


体に付着した血液を洗い流すため、シャワーを浴びる。鏡を見ると私の身体は明らかに若返っていた。きっとこれは血液の力……。血液の中に沈み、若い女の子との会話に興じているおかげで、私は若返れたのだ。肌だけじゃなく、心の中までもが若々しくなっていっているような、そんな気がした。


私は風呂場から出ると、すぐさま次に殺すもう一人について考え始めた。今まで私が殺してきた女の子の特徴として、まず一つ外せないのは若いということである。そしてもう一つはなるべく可愛く、そして性格的にいい子であること。そして、私と面識のない女の子。これらの項目に合致している女の子が望ましい。


考えに考え抜いた結果、しかし私の選択肢の中に浮かび上がった女の子は、面識のない女の子という点において合致していなかった。しかしながらだからといってもうこれ以上は選択肢にストックがない。大学時、私が四年だった頃の一年であり、最も私を慕ってくれていた……次殺す女の子は……


……莉子にしよう。


そう決意した。


ずぬり。

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