Take36 運命の部活終わり

決めた

蒼温の彼女を見に行く

だなんてしない

興味ないし


蒼温より先に

部室から出る

そうすれば

ふたりに鉢会わずに済むし


最短記録で

着替えを済ませて

「え?陸早くない?」

って言われても


「ちょっと用事あるから」

僕ができる

精一杯の爽やかさ

を演じて


部室を飛び出る

絶対に振り返ったりしないし

止まったりしない

もしかしたら

蒼温が追いかけて

来るかもだけど


だけど?


追いかけて来るはず

ないじゃないか

蒼温は彼女と帰るんだ

僕はなんて


なんて?


その続きに何を思った?


幼馴染みに彼女が

できたんだぞ

喜んだり

茶化したり

詮索したり

会わせろよ

なんて言ってみたり

そう言うのが

普通だよな

たぶん


学校の敷地を出る前に

そっと

立ち止まって後ろを見る

そこら中に誰かがいる

右と左も見る

女も男もいる


ちょっと待て

気にしないで帰るんだろっ

前を向いて

出来るだけ遠くの

一点だけを見つめて


僕は影より先に前へ出た


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